(時事通信 2025/05/31)
 ヘグセス米国防長官は31日、シンガポールで開かれているアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)で演説し、中国による台湾の武力統一は「壊滅的な結果を招く」と警告した。台湾有事への軍事介入も示唆。インド太平洋地域の同盟・友好国に対しては、早急に国防費を増額するよう求めた。

 1月に発足した第2次トランプ政権が、まとまった形でインド太平洋に関する安全保障構想を明らかにするのは初めて。ヘグセス氏はインド太平洋を米国の「優先地域」と位置付けた。

 ヘグセス氏は演説で「トランプ大統領は『自分が見ている中で中国が台湾を侵略することはない』と言っている」と指摘。「戦争を防ぐのがわれわれの目標だ。同盟・友好国と築き上げる強力な抑止力によってこれを実現する」と強調した。

 その上で「もし抑止に失敗した場合、米国防総省は最も得意とすることを実行する用意がある。すなわち、断固として戦い、勝利することだ」と表明。「中国の脅威は本物であり、差し迫ったものだ」とも訴えた。

 同時に、インド太平洋の同盟・友好国には「自国の防衛力を迅速に強化すべきだ」と要請。北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が国防支出の対国内総生産(GDP)比5%以上を目指していることを挙げ、「欧州を見本とすべきだ」と呼び掛けた。在日米軍司令部の強化を「日米同盟の重要な取り組みを反映したものだ」と評価するなど、日本にも言及した。


(TBSテレビ 2025/06/01)

シンガポールで開かれているアジア安全保障会議で、アメリカの国防長官が中国を名指しで非難したことについて、中国外務省がアメリカ側に抗議しました。

アメリカのヘグセス国防長官はきのう、中国による台湾侵攻の脅威が「差し迫っている」と強い危機感を示し、南シナ海などで軍事活動を活発化させる中国を名指しで非難しました。

これについて中国外務省はきょう、「強烈な不満と断固たる反対を表明する」との談話を発表し、アメリカ側に抗議したことを明らかにしました。談話では「台湾問題は中国の内政問題である」と主張し、台湾問題に介入しないようくぎを刺すとともに、「アメリカこそが南シナ海の平和と安定を破壊している最大の要因だ」と非難しています。

また、中国国防省の報道官も1日、ヘグセス国防長官の発言について「中国の主権と利益に挑戦している」と非難する談話を発表しました。

談話では「台湾問題は内政問題でありアメリカがとやかく言う権利はない」と主張。国家の主権と領土保全を守る姿勢を強調しています。南シナ海についても「中国は引き続き関係国と対話と協議を通じて意見の食い違いを適切に解決する」と、周辺諸国と協力して安定を守っていく考えを示しました。