(朝日新聞 2025/07/22)
 在日韓国人らでつくる在日本大韓民国民団(民団)中央本部の金利中(キムイジュン)団長は22日、東京都内で記者会見し、参院選で外国人政策が焦点となったことに「衝撃を受けた」と語った。「日本人ファースト」を掲げた参政党が議席を大きく増やしたことについては「投票した方の全員がそう思っているのではなく、『新しいことをやってくれるのではないか』という期待感の表れではないか。落ち着いた時期に参政党の方々とひざを交えて話し合いたい」と述べた。

 金氏は日本外国特派員協会が「戦後80年」をテーマに開いた記者会見に登壇。戦後の在日韓国人の歩みについて「劣悪な環境におかれたが、努力を重ねて差別的な制度を改善してきた」と説明。「平和を脅かす排外主義の根絶をめざし、2016年のヘイトスピーチ解消法成立にも取り組んだ」と述べた。

 参院選を振り返り、「外国人を排除するというような発言が今の時代に出ることが信じられない。(外国人として生まれた後で日本国籍を取得した)『帰化1世』に被選挙権を与えるべきではないという意見にも驚き、困惑している」と語った。

 韓国民団は1946年結成。在日韓国人の法的地位確立や日韓の国際親善を掲げて活動している。(北野隆一)



今夏の参院選で「日本人ファースト」を掲げた参政党が大きく議席を伸ばしたことを受けて、在日本大韓民国民団(民団)の金利中(キム・イジュン)団長は7月22日、都内で開かれた記者会見で「衝撃を受けた」とした。

そのうえで、参政党の政策について「本心だとしたら、怖い国になってしまう」と強い危機感を示した。

●「想像さえしていなかった」躍進

キム団長は「日本の選挙にここまで興味を持ったのは初めて」と語り、「今の日本で、このような政党が出てくるのは想像さえしていなかった」と驚きを隠さなかった。

「日本人が日本人を守るのは当たり前のこと」としつつも、「その中で外国人も共生していくのが、今までの流れだったのではないか」と疑問を呈した。

参政党のスローガンである「日本人ファースト」については「違和感というより、何が言いたいのか(わからない)。時代に逆行していると思う」と不信感を示した。

●「新しいことをやってくれる」という期待感

質疑応答では、韓国への感情が日本国内で二極化しているのではないかとの質問があった。これに対して、キム団長は「政治経済を超えて文化という意味で、日本も韓国もお互いに若い世代が認め合おうとしている時代ではないか」と見解を述べた。

一方、報道各社の出口調査では、参政党は10代から30代の若い世代から支持を集めたとされる。

この点について、キム団長は「参政党に投票した人全員が排外主義的な考えを持っているとは思っていない」とし、「今は新しいものを求める時代、『新しいことをやってくれるのではないか』という期待感の現れなのではないか」との見方を示した。

●参政党と「膝を交えて」対話に意欲

「整理ができておらず、困惑している」と心境を打ち明けたキム団長。選挙期間中には、民団として声明を出すべきだという意見も寄せられていたという。

「言論の自由に守られて、選挙期間中にヘイトスピーチ的な発言があったことは過去にもあった」と指摘し、今後さらに排外的な言論が強まるようであれば「日本に住む外国人の暮らす環境を守るために運動をしたい」と警鐘を鳴らした。

参政党の政策については、「本心なのか」と疑問を呈しつつ、「落ち着いた時期に、膝を交えて話はしてみたい」と述べ、対話の必要性を強調した。

この会見は、第二次世界大戦の終戦80周年と日韓国交正常化60周年を記念して、日本外国特派員協会で開催された。