(読売新聞/YAHOO 2025/11/17)
 韓国海軍が海上自衛隊と調整していた捜索・救難共同訓練について、月内開催を見送ると日本側に伝えたことがわかった。複数の日韓両政府関係者が明らかにした。韓国空軍機への給油支援中止以降、防衛交流の見送りが続いているものの、両政府は良好な日韓関係に影響しないよう事態の沈静化を図りたい考えだ。

 共同訓練は、両国の艦艇が協力して救助活動の流れを確認するためのものだ。1999年から2017年まで10回行われたが、韓国の駆逐艦が18年、海自哨戒機に火器管制レーダーを照射した問題以降は途絶えていた。

 このため、共同訓練の再開は「協力強化の象徴」(防衛省幹部)と位置づけられたが、韓国側が今月の開催見送りを伝えてきた。今月上旬に予定された韓国空軍機への自衛隊基地での給油支援を巡り、支援対象の韓国機が島根県・竹島周辺を飛行していたことが判明し、日本側が受け入れを中止した影響とみられる。

 また、韓国軍楽隊は13~15日に東京都内で開催された「自衛隊音楽まつり」への参加を見送った。自衛隊幹部は韓国軍の一連の対応を「対日関係に敏感な国内世論に配慮せざるを得ないのだろう」と推測する。

 小泉防衛相は14日の記者会見で、韓国軍楽隊の来日見送りに関し、「(日韓関係に)距離ができることはない。協力・交流を継続したい」と語った。韓国政府関係者も「共同訓練の見送りが、一連の問題の最後のけじめになればいい」と述べ、事態収束を期待する。

 双方が関係維持に腐心しているのは、北朝鮮による核・ミサイル開発の継続や、ロシアと北朝鮮の軍事協力進展など、周辺の安全保障環境が悪化の一途をたどっているためだ。

 日韓を巡っては、保守の尹錫悦(ユンソンニョル)政権下の昨年6月、防衛交流を再開することで合意し、今年6月に発足した左派の李在明(イジェミョン)政権でも関係改善の流れが続いている。防衛省幹部によると、共同訓練は実施時期を再調整する。別の幹部は「冷却期間を置きつつ、意思疎通を続けていくことが重要だ」と強調した。