(聯合ニュース 2026/07/10)
 韓国政府は、韓国国民が在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)の関係者と接触する際に課されている届け出義務の廃止を推進する方針だ。

 統一部の当局者は10日、朝鮮総連関係者を北朝鮮住民とみなす規定を削除する「南北交流協力に関する法律」(南北交流協力法)の改正案について、今年の通常国会で審議されるよう国会と連携していく考えを聯合ニュースに明らかにした。

 同法第30条は、「北の路線に従って活動する国外団体の構成員は北の住民とみなす」と規定している。

 このため、韓国国民が朝鮮総連の関係者と面会したり協力事業を行ったりする場合には、北朝鮮住民との接触届け出制度に基づき、あらかじめ統一部へ届け出を済ませなければならない。また、やむを得ず事前に届け出ができなかった場合でも、事後に届け出る義務がある。これに違反すると、過料や罰金が科されることがある。

 朝鮮総連関係者を北朝鮮住民とみなす規定は、1990年に同法が制定・施行されたときから存在した。

 統一部がこの規定の廃止を進めようとしているのは、導入当時と比べて現在の朝鮮総連の規模や構成員、性格が変化しており、制度による副作用も大きいと判断したことが背景にある。

 現在の朝鮮総連の構成員には韓国国籍の人も相当数含まれており、親北朝鮮的傾向の程度に幅があるにもかかわらず、一律に北朝鮮住民とみなすのは過度な措置だとみている。

 同当局者は「わが国民が日本で会った相手が朝鮮総連所属かどうかを事前に認識できない場合も多く、不要な法的負担が生じている」と指摘した。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権当時、統一部は俳優のクォン・ヘヒョ氏が代表を務める民間団体「朝鮮学校とともにする人々 モンダンヨンピル」が朝鮮総連系の学校への支援事業を進める過程で、届け出をせずに「無断接触」を行ったとして過料を科した。また、在日コリアンに対する差別を扱った映画を製作したキム・ジウン監督も同様の容疑で調査を受け、警告処分となった。

 同当局者は「北の住民とみなす規定は、制定当時は合法的な朝鮮総連との交流・協力事業が国家保安法に抵触して処罰されることを防ぐための保護措置という趣旨があったが、時代の変化により裁判所が国家保安法の適用に厳格な基準を設けるようになったため、この規定の必要性は薄れ、むしろ国民の自由を制約する規制として機能している」と説明した。

 しかし、朝鮮総連は法的に「反国家団体」とされる北朝鮮の海外公認団体であるだけに、届け出義務の廃止は不適切だとの論争も予想される。

 こうした懸念について、同当局者は「北の住民とみなす規定を廃止しても、接触の届け出など南北交流協力法上の義務がなくなるだけであり、国家保安法違反に当たるかどうかの判断とは別問題だ」と述べた。(鄭憙靖)