(東亜日報 2026/09/01)
韓国政府は、包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)への加盟を巡る社会的な議論と意見集約に本格的に着手すると発表した。2021年末、文在寅(ムン・ジェイン)政権が加盟推進の方針を公式に打ち出してから5年ぶりに再始動することになる。CPTPPは高い水準の市場開放を求める「21世紀型のメガ自由貿易協定(FTA)」と呼ばれる。重要なサプライチェーンを安定させ、輸出市場を多角化するために欠かせない戦略的選択肢だ。

18年に発効した多国間貿易協定のCPTPPには、日本、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チリ、ベトナム、シンガポールなど12カ国が参加している。当初は米国が主導していたが、米国の離脱後、日本などの主導で新たな通商協力の枠組みが発足した。昨年、韓国とCPTPP加盟国の商品貿易額は約3410億ドルで、貿易総額の25%を占めた。中国(20%)や米国(15%)との貿易を上回る規模だ。

韓国は21年に加盟推進を公式化し、翌年には公聴会など意見集約の手続きも進めたが、結局、検討段階を抜け出せなかった。加盟国間で農産物の関税を撤廃する品目の割合が96%を超え、韓国農業に甚大な打撃を与えかねないとの反発が最大の障害となった。さらに、日本の福島県産水産物の輸入問題まで複雑に絡み、国会への報告など国内手続きは事実上中断した。

しかし、米国発の関税戦争など保護貿易主義の広がりや、ウクライナと中東での戦争などによって通商環境が急変し、CPTPPへの加盟はもはや先送りできない課題となった。信頼できるサプライチェーンを確保し、輸出市場を多角化する手段が必要なためだ。加盟すれば、日本と結んでいる既存の多国間貿易協定より高い水準の市場開放効果が期待できるほか、まだ2国間FTAを締結していないメキシコ市場への参入障壁も引き下げられる。韓国対外経済政策研究院は、韓国の実質国内総生産(GDP)が最大0.35%増加すると予測し、産業研究院は長期的に貿易収支が年平均1兆ウォン以上改善すると分析した。

むろん、高い水準の市場開放によって農・漁業分野の被害が発生する可能性がある。政府は市場開放が各産業に及ぼす影響を綿密に分析し、農漁村共生協力基金の拡充など実効性のある補完策を講じなければならない。加盟には既存加盟国の全会一致による同意が必要だが、決断を先送りする間に新規加盟国が増えれば、加盟が次第に不利になる構造だ。十分な意思疎通と説得を通じて、今度こそ必ず加盟を推進するという確固たる意志を示さなければならない。