中国汚れた空 憤る市民
(読売新聞 2013/02/02)
北京に1日滞在=たばこ21本
中国政府が、大都市で深刻化する大気汚染への対応を迫られている。国民の環境意識は高まっており、対策の遅れは社会の不安定化につながりかねない。(北京 五十嵐文、竹内誠一郎)
■業務用マスク
スモッグが重く低く立ちこめる北京市内。何かが焦げたような臭いが街中に漂う。外をしばらく歩くと、目や鼻、のどに違和感を覚え、室内にいても頭にずんと重みを感じる。
北京に1日滞在すれば「たばこを21本吸ったのと同じ計算」(中国誌「新民週刊」)と言われ、「N95」の表示がある業務用マスクが品薄状態だ。1枚約7元(約100円)と通常のマスクより割高だが、健康被害をもたらす微粒子状物質(PM2.5)の吸引を確実に防ぐのに必要とされる。安価な偽物も出回っている。
1月下旬、国営中央テレビのアナウンサーが中国版ツイッター「微博」に、屋外で交通整理にあたる警官が「マスク着用を禁じられている」と書き込むと同情論が広まり、公安省は一転、「状況に応じたマスクの着用」を許可した。
高まる環境意識 データ公開消極的
■米国のデータ先行
北京市政府は応急措置として1月30、31日、中心部の朝陽区内ですべての工事を停止。抜き打ち検査で有害物質の排出基準を超えていた工場や車両に罰金を科した。政府機関の公用車も3割が使用を禁じられた。
しかし、中国はこれまで、対策の基本であるデータ観測や公開に消極的姿勢が目立っていたのも事実だ。
米国大使館は2008年の北京五輪前から、北京などでPM2.5の独自測定を行い、公表している。
北京市も昨年初めから試験的に測定・公表を始めたが、北京市の判定で「良」なのに米側は「不健康」とする日もあり、評価はしばしば大きく食い違う。市民の間では「市当局がデータを改ざんしている」との批判が噴出。
外務省は6月、内政干渉だとして米大使館に公表中止を求めたが米側は応じず、10月には北京市も、観測ポイントを大幅に増やして正式なデータの測定・公表を始めた。
■国有企業も矛先
市民の怒りは、共産党政権と密接な関係にある国有企業にも向かう。
1月31日の「新京報」紙は、中国では北京などを除くほとんどの地域で硫黄含有量が欧米の15倍のガソリンが流通し、汚染に拍車をかけていると指摘。排ガス対策を怠ったとして一部国有企業の責任を示唆した。
中国では近年、各地で工場建設反対の住民デモが発生するなど環境意識が急速に高まっている。全土の約15%がスモッグで覆われるとされる中、当局は「対策が遅れれば、より大規模な社会運動を誘発しかねない」(共産党関係者)として危機感を強めている。

大気汚染で列車が故障?前代未聞の運行停止事故に大ブーイングの嵐―中国版ツイッター
(レコードチャイナ 2013/02/02)
2013年1月30日、中国でこのところ深刻な社会問題となっている大気汚染が、想像外のとんでもない事態を引き起こした。なんと、立ち込める濃霧の中に浮遊する帯電微粒子が列車の電気系統に故障を引き起こし、1時間あまりも運行停止になったのだという。
事故は、中国が国威の象徴として敷設を推し進めている高速鉄道で発生した。昨年12月に全線開通したばかりの北京市と広東省広州市を結ぶ京広線が、河南省信陽市を走行している際、前出のような理由で運行停止に。京広線初の運行停止事故はその後、上下14本で遅れを出し、中国鉄道部も「濃霧が事故原因」と認めるに至った。乗客の証言では、事故の前に窓外で「閃光が見えた」としている者もいる。大気汚染が運行中の列車を停めてしまうなど、思いもよらない事態は、この数日後に始まる旧正月の帰省ラッシュにも影響を及ぼすかもしれない。
このニュースが国営テレビの中央電視台(CCTV)によって報道されると、“中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイトではこれに関連する投稿が殺到した。政府が高揚気味にうたっていた高速鉄道のすばらしさを揶揄する声、環境汚染への不安の声が入り混じっている。以下はその具体的な投稿内容。
「高速鉄道、脆弱過ぎ。技術面だってまだまだじゃん!」
「高速鉄道って見かけ倒しで中身はぜんぜんダメだな!」
「ついこの前、高速鉄道は飛行機と違い、霧の影響は受けないって言われてなかったっけ?」
「高速鉄道を設計している時にはその性能のすばらしさを吹聴して、外国製の車両よりどれだけ優れているかとアピールしていたけど、ふたを開ければ雷があってもダメ、霧があってもダメってどういうことよ?」
「でもさ、これって普通列車では起こらない事故なの?」
「海外でこんなにひどい大気汚染の話って聞いたことないよ。鉄道業界でも研究が進んでいるのかもしれないけど、解決策が見つからないのかもね」
「大気汚染、いろいろな業界に影響しているね。ほんとヒドイや、環境保護は1人1人が心がけていかないと」
「排出削減、本気で取り組まないとだな」
「発電所を改造し、原発を増設し、排気基準を厳格化すべし」
「経済発展の代償は本当に深刻だな!環境保護を先延ばしにしていると救いようがなくなるぞ!」
中国の汚染大気?日本へ、福岡市で基準超す
(読売新聞 2013/02/01)
中国東部で深刻化している大気汚染が、日本にも影響を及ぼすことに懸念が出ている。中国では今年に入り、北京市などで汚染物質を含んだスモッグに覆われる日が続き、体調を崩す住民が急増。飛来したとみられる汚染物質が日本でも確認され、西日本の一部では基準値を超える汚染物質が観測されている。
加藤勝信官房副長官は1月31日の記者会見で、「ただちに日本への影響があるレベルではないが、環境省で大気汚染物質の状況を調査するなど、適切な対応を図っていく」と述べた。
懸念されているのは、大気汚染物質の一つで、直径2・5マイクロ・メートル(1マイクロは100万分の1)以下の微粒子状物質「PM2・5」。吸い込むと肺の奥まで入り込み、肺がんなど呼吸器や循環器の疾患の原因になる可能性がある。
環境省によると、同月10日夜から北京市を中心に中国東部で大気汚染が発生、14日まで主要都市で汚染が確認された。同市内の濃度は多い時には大気1立方メートルあたり約500マイクロ・グラムで日本国内の基準(1日平均35マイクロ・グラム以下)の十数倍にあたる。
福岡市では、24日に基準値を超える37・5マイクロ・グラム、30日には36・3マイクロ・グラム、31日に52・6マイクロ・グラムを観測。市には「福岡市の観測データはどれくらいか」といった問い合わせが約20件寄せられている。
大気汚染粒子、県内8測定局で環境基準超える
(熊本日日新聞 2013/02/02)
大気汚染が深刻な中国大陸からの汚染粒子の越境移流が懸念されているが、県内では1月31日に呼吸器に影響を与えるとされる微小粒子状物質(PM2・5)の日平均値が、県管理の9測定局のうち8局で国の環境基準(1立方メートル当たり35マイクログラム)を上回ったことが1日、分かった。
県内で1局以上が環境基準を超えた日は1月中は10日あったが、県環境保全課は「1月にこれだけ広範囲に超えたのは初めて」としている。1日も多くの測定局で1時間ごとの数値が35マイクログラムを上回った。九州北部では2日以降も大気汚染粒子の増加が予測されている。
同課によると、県内のPM2・5の数値は1月30日から比較的高い傾向となった。31日の日平均は速報値で荒尾市役所70マイクログラム、宇土市運動公園、益城町役場48・3マイクログラム、菊池市役所46・7マイクログラム、八代市役所45・4マイクログラム、有明保健所43・6マイクログラム、苓北志岐42・5マイクログラム、人吉保健所36・8マイクログラム。環境基準を下回ったのは水俣保健所(30マイクログラム)のみだった。
環境基準は「維持されることが望ましい基準」。環境省の2010年度の調査では、40都道府県46地点のうち、年平均、日平均ともPM2・5の環境基準を満たしたのは8県12地点にとどまっている。
県は今月中旬までに測定局を7カ所増加、13年度から熊本市管理分と合わせて計18局体制とし、監視を強化する。(福井一基)
日本が優れた環境技術で協力すれば、双方の利益になる♪ 
【朝日新聞 社説】 中国大気汚染―改善は日中の利益だ(2013/01/31)
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