法務省、尖閣沖での衝突時ビデオ公開検討
(読売新聞 2010/09/28) 


 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、法務省は27日、国会内で開かれた民主党の法務・国土交通・外務合同部門会議で、那覇地検が逮捕した船長の釈放を決めた前日の23日に、外務省担当者から事件を受けた日中関係の現状について意見聴取していたことを明らかにした。

 また、漁船が海上保安庁巡視船に衝突した様子を撮影した同庁のビデオの公開を検討していると説明した。

 一方、外務省は27日の自民党外交・法務合同部会で、法務省による意見聴取について、首相官邸と協議し担当者が那覇地検に出向いたことを明らかにした。

 両党の会議では、出席者から政府の対応などに批判が相次いだ。中国人船長釈放決定を検察側の判断とする政府説明に「政治の責任転嫁だ」と批判が集中した。




「もっと早く」 解決急がせた首相 中国船長釈放前に
(朝日新聞 2010/09/28)
    
 「もっと早くできないのか」


 菅直人首相が声を荒らげた。22日からの国連総会出席を前に、尖閣諸島沖の衝突事件で逮捕した中国人船長について、官邸の関係者が「勾留(こうりゅう)期限の数日前には決着がつきそうです」と、起訴が避けられそうだとの感触を伝えた時のことだった。首相は、船長釈放について「検察当局が総合的に考えた」として、関与を全面否定しているが、実際は早期解決を促すような発言をしていたのだった。

 首相に伝えられたのは、米ニューヨークから帰国する25日以降、さほど間を置かずに検察当局の判断が出るという見通しだった。中国人船長の勾留期限は29日。その前に局面を変えたいという政権の意向が働いていた。

 だが、首相はいら立ちをあらわにして、自らの訪米中にも決着を急ぐよう求めた。ニューヨークで温家宝(ウェン・チアパオ)首相と接触する可能性を残したかったと見られる。結局、那覇地検は24日、船長を処分保留のまま釈放すると発表した。

 一報がニューヨークの首相にもたらされたのは、現地時間の24日未明。就寝中に起こされた首相は「ふーん」と答えただけで、特に驚いた様子は見せなかった。

 早期決着を促した首相の姿勢は、粛々と国内法を執行するという当初の方針からの明らかな転換だった。

 中国人船長を逮捕した判断は、当時は海上保安庁を指揮する国土交通相だった前原誠司外相らの進言を受け入れた結果だった。だが、首相は訪米直前には、電話をしてきた知人に「初動に問題があったようだ」と漏らした。逮捕後に何が起きるのか、もう少し見越すことができなかっただろうか――。そんな首相の心情がにじんでいた。

 首相外遊中に緊張回避を模索したのは、留守を預かる仙谷由人官房長官だった。外務省の懸念がそれとなく検察側に伝わるように手を打った。11月中旬に横浜市で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議には、胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席の来日が予定されている。それまでに局面を転換しなければならない。

 だが仙谷氏は最近、知人にこう漏らしている。「民主党には中国とのパイプがないんだ」。中国側と十分な意思疎通がないまま船長釈放のカードを切ったものの、首相が期待したニューヨークでの温首相との接触は実現できずに終わった。そればかりか、中国側は謝罪と賠償を要求している。

 突然の船長釈放について、中国政府関係者は「予想外だった」と明かす。

 29日に船長は起訴される可能性が高い――。中国政府内では、19日に1度勾留が延長された際、こうした見方が大勢を占め、すでに対日強硬路線にかじを切っていた。首相に先駆けてニューヨーク入りした中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は21日、「必要な対抗措置を取らざるを得ない」と発言。中国筋によると、温首相の発言は共産党指導部内の合意を得た上でのことだった。

 一度、党の方針が決まれば一気に突き進む。それは、日本側が船長釈放で緊張緩和への局面転換を図ろうとした後でも変わらない。

 中国政府系シンクタンク関係者は「指導者があれだけ強い調子で批判した直後に、日本の首相と握手できるわけがない。完全な根回し不足だ」と語る。





結局、温首相と会うこともできず、尖閣諸島は無法地帯と認識されただけですね。


「認めれば中華民族の末代までの大罪人」、船長が当時の心境を告白―香港メディア
(レコードチャイナ 2010/09/28)


2010年9月27日、香港の中国評論通信社は、沖縄の尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船に衝突し、逮捕された中国人船長について「日本での不法勾留期間も立派な態度を貫いた」と報じた。新華網が伝えた。

記事は複数の海外メディアの報道として、●其雄(ジャン・チーシオン、●は「擔」のつくり)船長が日本で不法勾留されながらも人並み外れた立派な態度を貫いた、と絶賛した。記事によれば、ジャン船長は取り調べに対し、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国領」だとして一貫して「無罪」を主張。自らが同海域で漁業活動を行っていたことの正当性を強調し続けた。

日本側からの「故意に衝突した」とする非難にも屈しなかった。何度も「罪を認めなければ最高で懲役3年、罰金50万円」だと警告されたが、ジャン船長は「ここで罪を認めれば、中華民族の末代までの大罪人になる」と頑なにこれを拒絶。こうして勾留期間の10日間が過ぎたため、日本側は仕方なく勾留期間をさらに10日間延長せざるを得なかった。

記事は、日本の法律では容疑者の勾留期間は最長20日間で、その後、無罪釈放か起訴されるかが決まると紹介。その上で、ジャン船長が勾留期間満了前に釈放されたことは「無罪放免」に値し、日本側が「釣魚島は中国領」だとするジャン船長の言い分と「領海侵犯」ではないことを完全に認めたことになる、と強調した。



「英雄」の帰国時↓

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「英雄」の地元凱旋↓

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そして中国は、対抗措置の緩和どころか、尖閣諸島周辺を実効支配するため活動中。


中国監視船、尖閣沖で活動=外務省が中止求める
(時事通信 2010/09/27)

 仙谷由人官房長官は27日午後の記者会見で、中国の漁業監視船2隻が沖縄県・尖閣諸島沖の日本領海周辺で24日夕から活動していることを明らかにした。これに対し、外務省は計4回にわたって、中国側に中止を申し入れた。

 一方、海上保安庁によると、7日の漁船衝突事件後、尖閣周辺海域では10日未明に中国の漁業監視船が初めて確認された。台風11号が石垣島などに接近した18日ごろまで活動していたが、いったん姿を消し、24日夕から領海周辺に再び現れた。

 漁業監視船は、中国が東南アジア各国と領有権をめぐり対立している南シナ海にも派遣している。尖閣沖への派遣は初めてだが、周辺では9月中旬以降、中国漁船は確認されていない。海保巡視船へのけん制が目的とみられ、同海域での緊張が続きそうだ。

 監視船は、「漁政201」と「漁政203」。仙谷長官によると、27日午前6時の時点でも、尖閣周辺の日本領海(12カイリ、約22キロ)の外側に隣接する「接続水域」(領海の外側約22キロ)で活動している。

 これに対し、海上保安庁が巡視船6隻を派遣して、領海内に侵入しないよう警戒している。24日に連絡を受け、政府は首相官邸の情報収集態勢を強化した。

 仙谷長官は「首相官邸を中心として、関係省庁の連携、協調の下で厳正に対応していく」と強調した。

 尖閣諸島周辺では2008年12月、中国の海洋調査船2隻が日本領海に入り、海保巡視船が即時退去を要求したのに対し、約9時間とどまった。




尖閣、ガス田周辺に中国調査船続々 10隻以上が示威活動か
(産経新聞 2010/09/28)


 尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で、中国人船長が釈放された25日以降、中国の海洋調査船が、尖閣諸島や東シナ海のガス田開発地域周辺に集結していることが27日、分かった。政府関係者によると、調査船は計10隻以上にのぼっている。海洋権益確保に向けた示威活動とみられる。日本の排他的経済水域(EEZ)内への侵入が懸念されることから、海上自衛隊の哨戒機などが警戒活動を強化している。

 政府高官によると、中国の海洋調査船は26日ごろから東シナ海に集結しているという。今のところ日本のEEZ内には侵入していないものの、この高官は「これだけの数の調査船を同時に出してきたのは前代未聞だ」と指摘した。

 ガス田周辺では約10隻の海洋調査船が確認された。海洋調査船は、掘削用のドリルのような機材を運び込んだことが確認された「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)を含め、東シナ海にある4つのガス田すべての近くを航行しているという。

 尖閣諸島周辺にも数隻の海洋調査船が接近したことも判明した。うち1隻は中国国家海洋局に所属する「海監51号」とみられる。

 中国側は今回の衝突事件をきっかけに、東シナ海での海洋権益の既成事実化を狙っているとみられる。周辺国が領有権を主張しあっている南沙諸島(英語名・スプラトリー)を含む南シナ海での活動と同様、「漁船→海洋調査船→軍艦」と徐々に圧力をエスカレートさせる可能性もある。

 一方、仙谷由人官房長官は27日午後の記者会見で、尖閣諸島周辺の接続水域(領海の外側約22キロ)内で24日夕以降、中国の漁業監視船「漁政201」と「漁政203」の2隻が活動しているとして、外交ルートを通じて中国側に抗議していることを明らかにした。



接続水域 (Wikipedia)

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領海から12海里以内の排他的経済水域内では、その国にとって必要な法規制・通関の取締りを行うことが認められている。これを接続水域という。








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