(朝日新聞 2014/12/26)

 朝日新聞社の渡辺雅隆社長は26日、慰安婦報道を検証する第三者委員会による報告書提出を受けて、東京都内で記者会見した。渡辺社長は冒頭、「改めて皆様に深くおわび申し上げます」と述べ、「社会の役に立つメディアとして、再び信頼していただけるよう、改革に取り組みます」などとする社長見解を示した。

 質疑応答で、渡辺社長は第三者委の報告書について「基本的に厳しい指摘と受けとめています」と述べた。また、「慰安婦問題については国内での議論もあり、国際社会の議論もあります。どれもが慰安婦問題の断片であり、全体像にせまるため、(元慰安婦の)強制性を含めて取材をしていきます」と述べた。

 1997年の特集記事に関し、第三者委は「『狭義の強制性』を大々的に報じてきたことを認めることなく、河野談話に依拠して『広義の強制性』の存在を強調する論調は議論のすりかえである」と指摘した。渡辺社長は「すりかえとの批判は重く受けとめています。強制性についてもしっかり取材していくのが私たちの立場です」と話した。(略)


pdf第三者委員会の報告書に対する朝日新聞社の見解と取り組みpdf
(朝日新聞 2014/12/26)
(略)
(3)慰安婦報道
〈ポイント〉
・吉田証言記事などの誤りを長年放置してきたことを改めておわびします

・慰安婦となった女性の多様な実態と謙虚に向き合い、読者にわかりやすく伝える取り組みをより一層進め、多角的な報道を続け、それを海外にも発信していきます

・社内の各部門から記者を集め、継続的に担当する取材班をつくります。社外の識者とも議論を重ね、海外にも記者を派遣します

・いろいろな視点や意見をもつ識者や関係者の見方を紹介するなどし、読者のみなさまがこの問題を考える材料を示していきます

第三者委員会の報告書で厳しい指摘を受けた吉田証言記事などの問題がなぜ起きたのか。大きな誤りは1980~90年代の吉田証言記事のように虚偽性を指摘されたり、92年の「軍関与」の記事につく用語メモのように不正確な点を指摘されたりしたのに、その後も再取材、検証をせずに放置し続けたことです。改めておわびします。

97年の特集記事を掲載した際の対応にも問題がありました。信用性が揺らいでいた吉田証言について裏付け取材を尽くし、取り消し・訂正をすべきでした。

私たちは、97年の特集記事で慰安婦の「強制性」について、「女性の『人身の自由』が侵害されたこと」と整理しました。しかし、それ以前の吉田証言の誤った記事を総括しないまま、こうした考え方を示した姿勢が、第三者委に「議論のすりかえ」と批判される結果になりました。慰安婦問題をめぐる朝日新聞の報道への様々な批判や議論を招いたことを謙虚に受け止めます。

この教訓を踏まえ、慰安婦の実相に謙虚に向き合い、読者にわかりやすく伝える取り組みを一層進めます。社内の各部門から記者を集め、継続的に担当する取材班をつくります。社外の識者とも議論を重ね、海外にも記者を派遣します。

また、いろいろな視点や意見をもつ識者や関係者の見方を紹介するなどして、読者のみなさまがこの問題を考える材料を示していきます。

慰安婦は将兵の性の相手をさせられた人たちです。その境遇は一様ではありません。植民地や占領地といった地域の違い、戦況によっても異なります。集められ方の経緯もさまざまです。こうした実態を丁寧に取材します。

慰安婦問題をみる視点も時代とともに変わってきています。この問題は、日韓両国間の困難な課題となっています。

一方、国際的には、女性の人権問題として捉える傾向が強まっています。ほかにも、日本の植民地統治や戦時体制との関わり、世界での「軍隊と性」としての視点など、多くの論点があります。

第三者委は、朝日新聞の吉田証言記事や、慰安婦報道が国際社会に与えた影響も調査しました。報告書では、岡本行夫委員と北岡伸一委員が朝日新聞などの報道が韓国内の批判的論調に同調したと指摘しました。波多野澄雄委員と林香里委員の検討結果はいずれも、吉田証言記事が韓国に影響を与えなかったことを跡づけたとしました。林委員はまた、朝日新聞の慰安婦報道に関する記事が欧米、韓国に影響を与えたかどうかは認知できないとしています。

この問題で多角的な報道を続けていきます。海外にも発信し、報道機関としての役割を果たしていきたいと考えます。

慰安婦の女性たちが、尊厳の回復や救済を求めて声を上げたのは90年代初めでした。私たちは被害者の声を受け止め、繰り返してはならない歴史を伝えていく必要があると感じました。

それから20年余り。高齢の女性たちから証言を聴ける時間は少なくなっています。私たちは、原点に立ち戻り、そのうえで、慰安婦問題についての貴重な証言や国内外の研究成果などを丹念に当たります。

戦後70年となる来年、多角的に歴史を掘り下げる報道をめざします。

今後は、韓国政府・“良心派”市民団体の主張に沿った報道をすればするほど、取り上げられた内容の信憑性が低くなるでしょうから、これからもがんばって韓国政府・“良心派”市民団体が喜ぶ報道を続けてくださいね。

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