(産経新聞 2015/01/03)

 安倍晋三首相が年末にサザンオールスターズの公演を聴きに出かけ、そこで先の総選挙を批判する歌が出て、「安倍がからかわれた」と韓国マスコミが特筆大書していた。こんな調子でこの2年間、韓国では官民を挙げての“安倍たたき”が展開された。右傾化だ、軍国主義復活だ、侵略美化だ…まるで自分の国のことのように「安倍政権打倒キャンペーン」をやってきた。

 マスコミが好んで登場させてきた日本人といえば、村山富市、鳩山由紀夫、小沢一郎の3氏や共産党の志位和夫氏など、野党指導者や反日が大好きな左派知識人ばかり。何としても安倍政権を引き降ろしたいという異様な風景が続いたのだが、その切なる願いも総選挙での“安倍大勝”で完全に吹っ飛んでしまった。

 あれだけ韓国や中国から悪口をいわれたのでは安倍嫌いの日本人でも安倍擁護に回るだろう。そこで韓国マスコミには「安倍政権は普通の日本人とは違うという、これまでのわれわれの見方」に反省の声が出ている。題して「あるがままの日本を見るときがきた」。安倍たたきの先頭に立ってきた朝鮮日報の12月30日付の論評だ。やっと分かった? それにはまず、日本の実情とかけ離れた左派知識人を良心的日本人としてもてはやすことから改めてはどうかな。(黒田勝弘)

(朝鮮日報 2014/12/30)

 先日、日本の内閣府が日本国民を対象に毎年実施している世論調査で、「韓国に親しみを感じない」という回答が史上最高の66.4%に達したと発表した。2011年の36.7%から、12年には59%まで急増し、13年は58%、そして今年はピークに達したのだ。この調査が始まったのは1978年で、韓国が軍事政権時代だった当時よりも韓国のことを嫌っているというわけだ。黒田勝弘・元産経新聞ソウル市局長が、年初の『週刊朝鮮』に寄せた記事で「韓国の失敗が日本の喜びになっているようだ」と記すほどなので、日本国内の反韓感情は推して知るべしだ。

 98年10月8日、就任1年目の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相は、東京で「21世紀 新たな韓日パートナーシップ宣言」を発表した。「今こそ未来に進もう」という宣言には、過去最高の修辞が連なった。小渕首相は韓国の経済成長と民主化を高く評価し、植民地支配について初めて「謝罪」という表現を使った。金大中大統領も、戦後日本について「国際社会の平和と繁栄のため遂行してきた役割を高く評価する」と語った。

 数年後、韓流が日本で絶頂を迎え、韓国では日本の音楽や文化がいろいろと紹介されるに至ったが、この黄金期がこれほど急に終わってしまうとは思わなかった。しかしその裏では、独島(日本名:竹島)、慰安婦、教科書検定、再軍備など新たな対立の種が雪の塊のように膨れあがりつつあった。「両国首脳が会談で対立した」と先を争うように公開する状況が、2度も起こった。07年には盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と安倍晋三首相が、11年には李明博(イ・ミョンバク)大統領と野田佳彦首相が対立し、武勇伝をメディアに細かく伝えた。

 金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉、李明博各大統領の対日関係パターンを見ると、共通点がある。任期の前半は未来を強調し、うまくやろうと言うが、後半になるにつれ、冷え込みと激突で仲たがいする。およそ20年こうしたパターンが続く中、政権後半期の衝突の様相は次第に激しくなっていった。何か、構造的に一層ねじれてきているということだ。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が「前半は和解、後半は激突」というパターンを繰り返さずにいることが、むしろ幸いに思えるほどだ。

 韓日関係がこうなってしまったのは、盧武鉉大統領の「外交戦争も辞さず」発言、李明博大統領の「天皇謝罪」発言など、韓国側が不必要に刺激したことも影響している。しかしそれ以上に、日本の政治家自身による選択の方が、はるかに影響が大きかった。日本はこの数年、平和憲法を損なって軍備を強化する「戦争ができる国」への道を疾走してきた。安倍首相は戦争責任を回避し、戦後秩序そのものを否定するかのような発言も何度か行った。こうした政権と普通の日本人は違うという見方も一部にあるが、衆院選の結果は、そうではないという事実、今の日本は韓国人が慣れ親しんだ日本ではなく、新たな日本なのだという事実を示した。

 来年6月には、韓国と日本が国交を正常化してから50年になる。難題はますます増えているのに、解決対象どころか、管理するのも大変だ。今や、謝罪の文言をめぐって綱引きする時代も終わった。「あるがままの日本」を相手に、根底からやり直すしかない。
辛貞録(シン・ジョンロク)論説委員


分からないし、変わらないことは黒田氏がよく分かっているのでしょうけどね。

韓国人の研究
黒田 勝弘
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