(聯合ニュース 2015/12/23)

 植民地時代に日本に強制徴用された韓国人男性の遺族が、1965年の韓日請求権協定が両国間の請求権問題を「完全かつ最終的に解決された」としているのは韓国人の財産権侵害であり憲法違反だとして違憲審判を求めた問題で、韓国の憲法裁判所は23日、遺族側の請求を却下した。

 却下は請求が憲法裁の審判対象ではないと判断したときに下す処分で、請求権協定の違憲性についての判断を回避したことになる。

 遺族は2009年、男性の未払い賃金を正当に支給するよう求めて行政訴訟を起こし、さらに個人が日本政府や企業に補償金を請求する権利を制限した韓日請求権協定は個人の財産権を保障した韓国憲法に違反していると訴えた。憲法裁は、協定が違憲かどうかはこの行政訴訟の結果に影響を与えないとの理由で却下を決定した。

 憲法裁は「請求権協定は訴訟で争う処分の根拠条項ではなく、当該事件に適用される法律条項とは見なし難い。違憲かどうかによって判決の主文や理由が変わるケースとは言えない」と説明している。

 請求権協定は、韓国と日本の両国と法人を含めた国民の財産・権利・利益・請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」ことを確認すると明記している。日本はこれを根拠に、慰安婦をはじめとする強制徴用被害者の賠償請求権が消滅したと主張している。

 一方、韓国の大法院(最高裁)は2012年、徴用被害者4人が新日本製鉄(現・新日鉄住金)を相手取った損害賠償請求訴訟で、「個人請求権の消滅について両国政府の意思が合致したと見なす根拠がない」との解釈を示した。


(聯合ニュース 2015/12/23)

 韓国の憲法裁判所は23日、日本植民地時代に国外に強制動員され給料や手当などの支給を受けることができなかった韓国人被害者に対する支援金について定めた「太平洋戦争前後の国外強制動員犠牲者ら支援に関する法律」の規定が合憲だとの判断を示した。

 憲法裁判所は同法第5条第1項に関する違憲審判で合憲の判断を下した。裁判官9人中6人が合憲、3人が違憲との意見を示した。

 同法は2008年に施行された。1938年4月1日から1945年8月15日に日本により軍人、軍務員または労務者などとして国外に強制動員され、労務提供などの対価として日本国および日本企業などから支給されるべき給料、諸手当、弔慰金または扶助料などの「未収金」の支給を受けることができなかった被害者を「未収金被害者」と規定している。

 また、同法第5条第1項は、未収金被害者またはその遺族に対する「未収金支援金」について、被害者が日本国または日本企業などから支給を受けることができた未収金を当時の日本通貨1円当たり2000ウォン(現在のレートで約200円)に換算し支給すると定めている。

 憲法裁は「消費者物価上昇率と為替レートを考慮した算定方式はそれなりの合理的基準で貨幣価値を反映しているとみられる」とした。

 同条項の換算方式は、対日民間請求権補償が始まった年の1975年を基準に、1945年からの日本の消費者物価上昇率149.8倍に当時のウォンの対円レート(1円=1.63ウォン)を掛け、さらに1975年~2005年の韓国の消費者物価上昇率7.8倍を掛けたもの。

 憲法裁は「未収金支援金が補償金でなく人道レベルの恩恵的なものであることを勘案すると、支援金が不十分だという理由で直ちに憲法違反になるとはいえない」と判断した。

 同審判は2010年6月、ソウル行政裁判所が強制動員被害者の遺族の申し立てを受け入れ、憲法裁判所に申請した。

 この被害者は男性で1944年に軍人として中国に強制動員された後、帰国。1987年に死亡した。首相所属の機関「太平洋戦争前後国外強制動員犠牲者支援委員会」は2009年6月、男性が日本から支給を受けることができた給料などを270円とし、同法に基づきウォンに換算後、54万ウォンを支給することを決定した。これを不服とした遺族が同委員会の決定を取り消すよう求める訴訟をソウル行政裁判所に提起するとともに、憲法判断を求める訴えを起こした。


(聯合ニュース 2015/12/23)

 韓国外交部の当局者は23日、憲法裁判所が1965年の韓日請求権協定が憲法に違反しているかどうか判断せずに訴えを却下したことについて、「法理に従ったもので、特別に言及することはない」と述べた。

 それ以上のコメントはしなかったものの、今回の判断により韓日関係改善に向けた潜在的な悪材料が消えたと評価したものと受け止められる。

 憲法裁はこの日、植民地時代に日本に強制徴用された韓国人男性の遺族が、韓日請求権協定が両国間の請求権問題を「完全かつ最終的に解決された」としているのは韓国人の財産権侵害であり憲法違反だと訴えた裁判で、憲法裁の審判対象ではないとして訴えを却下した。

 韓国と日本の外交当局は今回の訴えに対する憲法裁の判断を注視してきた。

 請求権協定は、韓国と日本の両国と法人を含めた国民の財産・権利・利益・請求権に関する問題が「完全かつ最終的に解決された」ことを確認すると明記しているが、これを違憲だとする判断が出れば、韓日関係の根幹を揺るがす恐れがあるためだ。

 韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官はこの日、憲法裁の判断を前に「賢明な判断が出ることを期待する」と述べ、間接的に懸念を示していた。

 韓国では請求権協定により救済されなかった被害者らによる訴訟が相次いでおり、韓日外交の懸案に浮上している。

 憲法裁は2011年、旧日本軍によって従軍慰安婦にされた被害者の賠償請求権について、韓国政府が何の措置も講じなかったのは憲法に違反するとの判断を下した。

 12年には大法院(最高裁)が、徴用被害者4人が新日本製鉄(現・新日鉄住金)を相手取った損害賠償請求訴訟で、「個人請求権の消滅について両国政府の意思が合致したと見なす根拠がない」との解釈を示した。


(聯合ニュース 2015/12/23)

 日本外務省は23日、韓国の憲法裁判所が1965年の韓日請求権協定が憲法に違反しているかどうか判断せずに訴えを却下したことについて聨合ニュースが論評を求めたところ、「請求権問題は完全かつ最終的に解決済み」とのこれまでの立場をあらためて示した。

 同省は、憲法裁の判断結果にかかわらず、韓日間の請求権問題は韓日請求権協定により完全かつ最終的に解決されているというのが日本政府の一貫した立場だとした。

 憲法裁はこの日、植民地時代に日本に強制徴用された韓国人男性の遺族が、韓日請求権協定が両国間の請求権問題を「完全かつ最終的に解決された」としているのは韓国人の財産権侵害であり憲法違反だと訴えた裁判で、憲法裁の審判対象ではないとして訴えを却下した。


確かに、韓国政府が韓国人に支払った補償金額が妥当かどうかと、日韓間の「完全かつ最終的に解決された」は関係ないですが、受理から6年も経ってこの結論では「逃げた」としか思えませんね。昨日の日韓の報道を見るとマスコミも肩透かしを食らった気分でいるんじゃないですかね。


月刊WiLL (ウィル) 2016年2月号
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