(ソウル新聞 韓国語 2016/01/05)

チェ・チュンギョン東国大学客員教授・東国政経研究院長・元青瓦台(大統領府)経済首席

1999年1月10日、ドイツ,フランクフルトで第2回アジア・ヨーロッパ首脳会議(ASEM)財務相会議が開かれた。通貨危機の余波が完全に消えていない時期であったため、イ・ギュソン財政経済部(現企画財政部)長官を団長とする代表団はヨーロッパの財務長官を相手に韓国経済が回復していることを知らせるのに忙しく動いた。ここにイ長官は国際金融市場の雰囲気を変える会心の一案を放った。宮沢喜一日本財務相と共にした席で、当時としてはかなり大きい金額である50億ドル規模の韓日通貨スワップ(対等交換)協定妥結を発表したのである。

国際社会で韓国の危機克服能力を評価する契機になったのはもちろん、アジア国家間で初の通貨スワップ協定という歴史的意味があった。韓日通貨スワップは後日、アジア国家間の通貨スワップネットワークである『チェンマイイニシアチブ』の種になった。このように誕生した韓日通貨スワップが今、歴史の中に消えた。

当時、アイデアを出して実務交渉を担当した筆者が感じる感慨は大きい。その時も韓日漁業交渉の余波で韓日間の政務的雰囲気は良い方ではなかった。しかし、その当時の両国財務官僚の間には暗黙的な合意があった。政経分離の原則を守るということであった。

実務交渉パートナーである丸山純一当時財務省外為課長(国際局為替資金課長)に通貨スワップのアイデアを初めて提示した時、「財務当局間の実務的合意だけなされれば特別な障害はない」という反応を見せた。

以後、日本の右傾化と一部政治家たちの言動により韓日関係が梗塞したが、政経分離の伝統が守られていないことは残念なことである。外貨準備高が国際基準に照らしてまだ不足するという専門家たちの見解にもかかわらず、政府は「経常収支の黒字が続く状況を考慮すると通貨スワップが必ず必要なわけではない」という結論を導き出したと思われる。

通貨スワップが必要かどうかに関する技術的判断よりもさらに重要なことは、国際金融市場で通貨スワップ中断をどのように解釈するかに関するものである。韓国が難しい時、日本が冷遇するという信号として受け入れられる場合、私たちには負担要因になる。韓国の自信の表れであると理解するならば肯定的な側面も確かに存在する。

通貨危機の翌年である1998年、日本輸出入銀行が10億ドル規模の借款を私たちに提供すると、ヨーロッパ系銀行が信用供給を慎重に再開した。その理由を尋ねると、ヨーロッパ系銀行関係者の率直な回答が返ってきた。「日本はヨーロッパが韓国を覗く窓なので、日本が信用供給を再開すれば韓国の状況が良くなったというシグナルとして理解する」という趣旨であった。

もう17年が過ぎ、1人あたりの国民所得、外貨準備高、対外債務(外債)、経常収支などで大きな進展を成し遂げたので、これ以上ヨーロッパが日本を通じて韓国を覗きはしないようだ。だが、韓国と日本がにらみ合いながら暮らすことを経済、金融の視覚ではどのように見るのか点検して見る必要はある。

通貨危機は主要7か国(G7)のイギリスも経験したことがあるので、関連の経済指標が大いに良くなったといって安心することはできない。小規模開放経済である韓国の宿命で、経済大国日本も100%の大言壮語は禁物である。通貨危機防御網は厚いほど良いのに通貨スワップをあえて取り除いた理由が何か気になる。通貨スワップこそ引き出し前は費用が発生しない‘良質の防御網’ではないのか。

通貨スワップ協定廃止が政務的関係の梗塞にともなう韓日財務当局間の自尊心の戦いのためならば大きく間違っていることである。韓日両国は産業的に絡み合っており、競争しながら協力もしなければならない関係にある。政経分離の原則が守られなければ韓日両国ともに損害である。

世界経済の不確実性が大きくなる今、韓日財務当局間に感情的な隙間ができることは決して歓迎することはできない。韓日財務当局間に実務級から高位レベルまでスキンシップを積む努力を強化することが必要である。財務当局間の例年のサッカー試合も再開し、退職官僚(OB)どうし会うのも良いだろう。韓日首脳が会ったのだから、もう財務当局間で糸口を解く時だ。(機械翻訳 若干修正)


少なくとも、韓国最高裁(大法院)が判決を先延ばししている三菱重、新日鉄住金などが訴えられている『徴用者損賠訴訟』↓できちんと決着がつかないと政経分離にはならないんじゃないのかな。

2015年07月13日

(産経新聞 2013/08/30) 

戦時中に朝鮮半島から徴用された韓国人らが賠償を求めた訴訟で、新日鉄住金(旧日本製鉄、本社・東京)など日本企業に賠償命令が相次いだことを受け、政府は29日、韓国大法院(最高裁)で敗訴が確定した場合、国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方向で検討に入った。韓国の同意がなければ裁判は開かれないが、解決済みの戦後補償の前提を覆す判決の不当さを国際社会に訴える意義は大きいと判断している。 

首相周辺は「日本側に瑕疵(かし)はなく国際司法裁判所に提訴すべきだ」との考えを明かし、別の周辺も「賠償が確定すれば提訴するのは当然だ」と述べた。 

日韓間の賠償請求権問題は、昭和40年の国交正常化に伴い締結された日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」と明記。協定には日本が韓国に無償3億ドル、有償2億ドルを供与することが盛り込まれ、日韓両政府は協定に基づき戦時徴用問題も解決済みとの立場をとっている。 

戦時徴用訴訟をめぐり外務省は「仲裁委員会の発足を求める」(幹部)との立場を強調する。協定の3条では両国間で紛争が起きた際、両国が合意した第三国の委員を含む仲裁委を発足させるとの規定がある。 

首相周辺も仲裁委の規定を把握しているものの、国際司法裁への提訴検討を強調するのは、韓国側が仲裁委の設置に応じるか定かでないためだ。 

無策のまま時間を浪費すれば日本側にデメリットが生じる。徴用訴訟ではすでに、韓国の高裁レベルで日本企業に賠償を命じる判決が相次いでおり、賠償命令が確定すれば日本企業は韓国での保有資産を差し押さえられる恐れもある。 

このため国際司法裁への提訴で日本の正当性を表明し、差し押さえを踏みとどまらせる狙いがある。 

新日鉄住金は韓国の高裁判決を不当として上告。最高裁で「主張の正当性を明らかにしていく」と説明しているが、最高裁で敗訴が確定すれば賠償に応じる意向だという。 

最高裁が判断を翻す可能性は低いとされ、仮に新日鉄住金が賠償に応じれば、元徴用工や遺族らの賠償請求が続出し、解決済みの補償問題も次々と蒸し返されかねない。こうした事態は日韓間の戦後処理の崩壊を意味する。政府は国際司法裁への提訴で日本企業を全面支援する姿勢を示し、企業側にも一致した対応を求めたい考えだ。


SAPIO(サピオ) 2016年 02 月号 [雑誌]
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