(統一日報 2016/11/23)

政府見解 業界にチャンスか脅威か

 パチンコ業界でこれまでグレーゾーンといわれてきた、いわゆる「三店方式」に関して、日本政府がはじめて「違法ではない」との見解を明らかにした。業界関係者はおおむね歓迎の方向だが、警戒心を高める関係者もいる。

 遊技業界にとって久しぶりの朗報となった。日本政府は18日、パチンコ業界におけるいわゆる「三店方式」(※)に対する見解を示し、風営法に基づいて行われていれば「刑法に規定する罪に該当しない」と発表した。これまでグレーゾーンといわれてきた同方式に関して、違法性はないと断言したもの。

三店方式に関して、政府などはこれまで「ただちに違法となるものではない」などあいまいな表現を繰り返していた。今回政府が「罪に該当しない」つまり、「違法ではない」と断言したことで、これまでさまざまな弊害を被っていた業界にとっては朗報と受け取ることができる。

パチンコ・パチスロの関連企業が多く加盟する団体の担当者は「これまで”グレーゾーン”といわれうやむやだった点を、行政が違法性はないと回答したことは評価に値する」と歓迎した。取材を行った遊技業関係者の多くが同様の反応だった。

今回の日本政府の見解は、民進党の緒方林太郎衆議院議員が内閣に提出していた「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問主意書」に対する答弁という形で明らかになった。

一方で、現在遊技業に参入していない国内外の大手企業が参入することへの警戒心も高まっている。千葉県を中心にパチンコ店を経営する在日韓国人の男性は政府の回答を歓迎しながらも、「上場企業などの大企業が今後参入してくる可能性もある。またホール大手が上場してさらに大きくなることも。どちらにせよ競争の激化が予想される」と複雑な胸中を明かした。

パチンコ業界は昨年から続く台の入れ替え問題などがあり、営業店舗数が1万軒を割るのも時間の問題とみる関係者は少なくない。さらにカジノ法案の動向も気になるところだ。今回の政府答弁が業界にどのような影響を与えるのか、今後の動向から目が離せない。

(※)三店方式 パチンコ店での出玉の現金化が禁じられているため、第三の景品交換所を介して現金化を可能にするシステム


 読み違い
(民進党・緒方林太郎衆議院議員ブログ 2016/11/24)

 私が提出し、答弁が戻ってきた風営法に関する質問主意書について、どうも世間に「読み違い」が流布しているようです。これは「霞が関文学」の最たるものでして、読み違えることは仕方ありません。本件はもう少し情報が揃ってから思いをまとめる予定でしたが、誤解を放置しておくと良くないと思いますので、ここで投稿しておきます。
 
 まず、答弁書の中で注目されているのはこの2つです。
 
【答弁書】
① 六について
客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却することもあると承知している。
 
② 七について
ぱちんこ屋については、客の射幸心をそそるおそれがあることから、風営法に基づき必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業については、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条に規定する罪に該当しないと考えている。
 
 これを受けて、世間では「ぱちんこの換金を政府が認めた。」、「三店方式にOKを出した。」といった評価になっているようです。しかし、よく読んでみると、そんな事は何処にも書いてありません。
 
 まず、①ですが、これは景品の換金行為がなされている事を承知していると書いてあるだけです。それに対する法的な評価はありません。そして、②について、まず、冒頭の「ぱちんこ屋」が何を指しているかですが、これは風営法上の「遊技」としてのぱちんこを指しています。つまり、遊技をさせて景品を渡す、これだけです。なので、そういう遊技であるぱちんこは賭博に当たらないという、いわば当たり前の事を当たり前に書いているだけです。
 
 ①と②が並んで書いてあるのでどうしても誤解したくなりますが、それぞれの答弁をよく読むと何処にも「換金行為がOK」、「三店方式がOK」などということが読める内容ではありません。
 
 つまり、答弁のこの部分だけでは、そこまでの驚きはないはずなのです。重要なのは、①と②を結びつけた時の判断です。換金行為があった時に賭博行為に当たる事例は無いのか、という事になるでしょう。
 
 なので、私は再質問主意書を提出しています。色々な事を書いていますが、その問四で以下のような質問をしています。
 
【再質問主意書(抜粋)】
答弁書の「六について」及び「七について」に関し、客がぱちんこ屋の営業者からその営業に関し賞品の提供を受けた後、ぱちんこ屋の営業者以外の第三者に当該賞品を売却した結果、風営法に基づく必要な規制の範囲を逸脱し、それが刑法第百八十五条に規定する罪に該当する事はあり得るか。ある場合、どのような状況下でそれが起こるかを答弁ありたい。
 
 霞が関文学というのは、一語一語をよく追わないと読み間違えますので要注意という好事例でした。
 
 ただ、それを差し引いたとしても、先の質問主意書答弁については「画期的」な部分があると思っています。なお、何度も言いますが、私は遊技産業に対する特段の感情はありません。また、一連の主意書は誰かの働きかけを受けてやっているものでもありません。あくまでも法的論点の詰めをやっているだけです。


今まで見て見ないふりをし、現状を黙認している行政府が、業界の運営方法が大きく変わったわけでもないのに、今さら「違法だ」なんて言ったら、「なぜ今まで放っておいた?」と言われるから、結局現状維持ですかね。