(ハンギョレ新聞 2018/09/03)

・「慰安婦財団」2016年7月の設立に合わせ 
・徴用「外交部の意見書→全員合議体→破棄」構想 
・朴前大統領、外交部に「8月まで意見書の提出」を指示 
・行政処・外交部、朴前大統領の支持後速やかに推進

 「この判決が確定すれば、国の恥さらしだ」。2015年12月、いわゆる「最終的かつ不可逆的」という韓日「慰安婦」問題の合意が出た後、当時朴槿恵(パク・クネ)大統領が、日帝強制徴用被害者事件の裁判をめぐり、大統領府参謀陣に語った言葉だ。日本戦犯企業の賠償責任を認めた最高裁(大法院)の判例を自分が進める過去の歴史清算の方向に合わせて覆したり、最大限遅らせる案を実行するよう要請したわけだ。日本政府に“誠意”を見せるべきという趣旨だ。

 2日、ハンギョレの取材結果、朴前大統領は2016年半ばに、大統領府参謀陣を通じて外交部に「もうすぐ『和解・癒やし財団』が設立され、(日本から)お金が入ってきたら、最高裁に徴用事件への意見書の提出を処理するよう」指示したという。「慰安婦」合意によって日本政府の拠出金(10億円)で作られる和解・癒やし財団の設立日程に合わせ、強制徴用事件の裁判も整理しようとしたわけだ。その直前に朴前大統領は「(徴用に対する賠償責任を認めた)判決が確定すれば、国の恥さらし」だと強調し、外交部の意見書の提出時期を「2016年8月」以降に本格化するよう指示したという。日本政府が10億円を送ることにした時点だった。

 当時、外交部は「慰安婦」合意以降、批判世論が高まったことを受け、意見書の提出時期を延期しようとしたが、イム・ジョンホン当時最高裁事務総局次長などは、大統領府と外交部関係者たちとの会合で、「どうして提出しないのか」と何度も催促したという。

 朴前大統領が意見書の提出時期を指示してからは、手続きが一気に進んだ。2016年9月、イム元次長は外交部関係者らとの会合で、「外交部から意見書提出の手続きを開始するシグナルを受けたら、(シナリオ通り)進める」と提示し、外交部は同年11月、最高裁に意見書を出した。ただし、その頃、「国政壟断」事態が本格化し、朴前大統領が弾劾された後は最高裁の裁判は一向に進まず、時間だけが流れる状況となった。

 これに先立ち、検察は2013~2014年「金淇春(キム・ギチュン)大統領秘書室長やチャ・ハンソン、パク・ビョンデ最高裁事務総局長、外交部長官」の会合などを通じて、このような認識を共有して実行したことを確認した。当時、秘密会合では外交部が最高裁に意見書を提出すれば「新しい争点」が見つかったとの理由で、事件を最高裁判所全員合議体に付託し、戦犯企業の賠償責任を認めた最高裁判所の前の小部判決を破棄する案などが協議された。検察はヤン・スンテ当時最高裁判所長官も強制徴用事件の裁判の破棄の計画の報告を受けたものとみている。


(朝鮮日報 2018/09/04)

・当時裁判研究官だったチュ・ジンヨル釜山大教授
・「国際条約の解釈、複雑に絡む」「簡単に結論出すのは難しかった」

 最近「裁判取引」疑惑が起きている、日本による強制徴用事件の再上告審に関して、大法院(最高裁裁判に相当)研究官として当時勤務していた法学専門大学院教授が「裁判取引は事実ではない」と反論した。

 法曹関係者が3日に語ったところによると、2014年に大法院研究官を務めたチュ・ジンヨル釜山大学ロースクール教授はこのほど、ソーシャル・メディアの自身のアカウントに「(この事件と関連して)裁判取引疑惑が取りざたされているが、事実ではない」と投稿したとのことだ。

 これは、強制徴用被害者たちが日本の三菱と新日本製鐵を相手取り起こした損害賠償請求訴訟に関するものだ。一審・二審は「1965年の韓日請求権協定で被害者たちの請求権は消滅した」と賠償責任を認めなかった。ところが、大法院は2012年、「植民地支配と直結した不法行為による損害賠償請求権は請求権協定に含まれない」として、二審に差し戻した。差し戻し審は大法院判決の趣旨通り「日本企業は損害を賠償せよ」と判決した。日本企業はこれを不服とし、裁判は13年に再び大法院で行われることになった。

 しかし、この件について大法院は5年以上結論を下さず、今年7月になって全員合議体(日本の大法廷に相当)で審理されることになった。

 検察はこれと関連し、大法院傘下の裁判所行政処(省庁の1つ)が再上告審判決を遅らせるのと引き換えに、外交部(省に相当)から裁判官海外派遣拡大という特別措置を受けたと見て捜査を進めている。

 これについて、チュ・ジンヨル教授は「大法院は裁判取引のために審理を故意に遅延させたのではなく、国際法的な問題が複雑に絡み合って遅れた」「大法院は最初の判決で、ウィーン条約の国際条約解釈原則を考慮できず、争点を逃したとみられる」「再上告で遅ればせながら問題の深刻さに気づいた大法院としては、最初の判決の法理を変更し、破棄差し戻ししなければならなかったが、そうなればまるで手のひら返しのようになるので、長期未解決のままになったものと見られる」と述べた。

 大法院は2012年の上告審判決時、05年の「韓日会談文書公開後続対策関連官民共同委員会」で、韓国政府が「旧日本軍従軍慰安婦問題などの反人道的不法行為については、日本政府の法的責任が残っている」と公式見解を明らかにしたことを根拠に、日本企業の賠償責任を認めた。チュ・ジンヨル教授は「(官民共同委員会の見解は)請求権協定の当事国である日本政府の解釈と相反するものなので、国際条約である請求権協定の解釈上の原告(強制徴用被害者)の請求権が存続しているという根拠にするのは難しい」としている。条約の内容について、両国の解釈が分かれる場合、請求権協定に規定されている通り、まず両国が外交や国際的な仲裁によって解決するべきだが、大法院が韓国政府の見解にのみに基づいて請求権協定を一方的に解釈したのは、国際法に違反しているということだ。

 チュ・ジンヨル教授は「大法院裁判研究官として勤務した経験に照らしてみると、大法院長(最高裁判所長官)がある結論を望んでいるからと言って、大法官(最高裁判所判事)たちにそうしてほしいと言える構造は全くない」「大法官たちの見解が異なれば、顔を赤くしてでも意見をぶつけ合うが、裁判取引はあり得ないと思われる」と述べた。


賠償命令で、さらに日本と距離ができるのか、原告敗訴で国内世論を抑えるため対日強硬策に出て、さらに日本と距離ができるのか・・・

2018年07月25日
2018年08月04日

2017年08月25日