(朝鮮日報 2019/04/05)

 ソウル市内の外交部(外務省)庁舎に近いDビルのオフィスは外交官の間で「難民キャンプ」と呼ばれる。本来は海外赴任準備のために人事上の空白期間が生じた外交官が臨時に使用するオフィスだが、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後は前政権で活躍していた理由で干された外交官であふれているという。彼らは10年以上にわたり、北米業務や北朝鮮の核問題などの最前線で経験と人脈を積み上げてきたエリートだが、ポストを与えられずにいる。ただただ「自分たちは積弊だ」と自嘲しながら時を過ごしている。

 元外交官らは「大韓民国政府の歴史上、今ほど外交部の存在感と役割が薄れたことはない」と口をそろえる。文在寅政権は北朝鮮の核問題といった重要な外交政策で外交部を露骨にスルーしている。要職と主な在外公館長の座は非外交官、外交部内の非主流派、天下りが占めている。憤りを感じていた外交官も今は「青瓦台がやっていることだから」と諦めているという。「長官(外相)からして外交トップではなく、セレブリティの生活を楽しんでいるようだ」ともささやかれている。

 力をそがれて、魂までも抜けてしまったようだ。最近外交部で考えられないようなミスが相次いでいることもそんなムードの延長線上にあると言えそうだ。

26年前に消滅した「チェコスロバキア」という国名を使ったかと思えば、大統領がマレーシアでインドネシア語であいさつをしてしまった。先月には報道資料にバルト3国のラトビアを「バルカン」諸国と誤記し、抗議を受けた。大使館新設の意義を広報する資料にでたらめな地域名を書いたというのだからとんでもない。職員個人が知らなかったことはあり得るが、担当課長、局長、報道官室のチェックにも引っ掛からなかったというのは、業務に熱意と興味を失っているからだ。

 康京和(カン・ギョンファ)長官は就任以降、ワークライフバランスを強調してきたが、最近は「プロフェッショナリズム」を持てと電子メールで全職員を叱責した。「業務効率化が成果につながっているか」というテーマで職員との討論会も開くという。あまりにもだらけているという問題提起だ。前任者の時代には夜勤を頻繁にさせていたことが問題になったが、現在は正反対のことが起きている。

 ある幹部は「外交部は『傲慢だ』とか『偉そうだ』と批判されたものだが、最近のように『無能だ』『なくてもよい』と言われたことはなかったと思う」と漏らした。韓国は地政学的な位置、貿易への高い依存度から外交に死活が懸かっている国だ。そんな国の外交部が任期5年の政権の2年半余りで存在感ゼロの「透明官庁」と化してしまった。この国はこれでも大丈夫なのだろうか。


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(朝鮮日報 2019/04/05)

国の格を引きずりおろす恥さらし
外交部OB「常識以下の失態」

 ソウル市内の韓国外交部(省に相当)庁舎で行われた韓国とスペインの外務次官会談の際、掲揚された太極旗(韓国の国旗)がしわだらけの状態だった。これについて外交に詳しい専門家の間では「韓国政府は外交面での相次ぐミスで相手国への無礼な行いを繰り返してきたが、今度は自分の国の格を自ら引きずりおろす大恥をかいた」などの指摘が相次いでいる。

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 この日の会談中、儀典用の大型太極旗がしわだらけの状態で10枚以上、2時間近くにわたり掲揚されていた。韓国外交部(省に相当)の趙顕(チョ・ヒョン)第1次官はしわだらけの太極旗の前でスペインのフェルナンド・バレンスエラ外務次官と記念写真を撮影した。長期にわたり折り曲げて保管されていた太極旗に多数のしわが残っていたことを担当者が事前に確認しなかったのが原因だ。掲揚直前に事態を把握した複数の外交部職員があわてて手でしわを伸ばそうとしたが無理だった。外交部内部からも「早めに確認していれば、他のオフィスにあった太極旗を持ってくることができたはずだ」などの指摘が相次いでいる。

 「しわだらけの太極旗」の前で会談は行われたが、その間に外交部の康京和(カン・ギョンファ)長官は同じ建物内で「業務効率化の成果」について複数の職員と対話をしていたという。康長官は最近相次ぐ外交面でのミスについて「ミスは一切許されないので、職員一人一人が使命感と職業意識を持って業務に臨んでほしい」と語っていた。康長官はさらに「隙のない業務成果、責任意識と専門性を兼ね備えたプロフェッショナリズムが必要だ」などと訴えた上で「外交部における業務の基本となる使命感、専門性、緊張感、綱紀は必ず守られねばならない」と強調した。ここ2週間で康長官は先月20日の対政府質疑、22日の幹部会議、25日の室長・局長会議に続き今回を含めて4回謝罪している。

 外交部は昨年11月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がチェコを訪問した際、公式ツイッター上で「チェコ」を「チェコスロバキア」と記載し、さらに先月の報道資料ではバルト3国の「バルト」を「バルカン」と表記した。韓国大統領府も先月、文大統領がカンボジアを訪問した際、公式フェイスブックに台湾の建物を掲載し、文大統領はマレーシアでインドネシア語であいさつする失態を犯した。このように外交部や大統領府では外交面でのミスが立て続けに起こっている。

 元外務次官のシン・ガクス氏は「徹底して準備された儀典はその国の顔であり、国益にも直結する」「このような事態が繰り返されるのは、政府の綱紀とシステムにおける本質的な問題だ」などと苦言を呈した。また孔魯明(コン・ロミョン)元外交長官は「前例がない。常識以下だ」と指摘した。

 一方でこの日の外務次官会談では、2月に起こったスペインの北朝鮮大使館襲撃事件について、スペイン側から捜査状況などの説明があったという。スペインの高等裁判所は北朝鮮大使館に侵入した容疑者の中に韓国籍の「ラム・リー」という人物がいたと発表している。


出世のキャリアになる主要国の大使ポストは外交経験のない大統領の縁で決まり↓、外交問題に発展しかねないことも外交部抜きに大統領府が決め↓、大統領は外交部に不信感があると言われ↓、主義の違う前政権で実績を上げたからと先輩が事実上更迭される↓状況で、モチベーションを高く保てる外交当局があったら、それこそオインク(OINK: Only in Korea)ですね。

2017年08月31日
2017年12月01日
2018年01月10日
2018年01月31日