(朝鮮日報 2019/04/19)

 釜山市内の日本領事館周辺から強制徴用労働者像が撤去されて5日後の17日、釜山市の呉巨敦(オ・ゴドン)市長は「来月1日までに像を返還し、100人の市民代表が指定する場所に労働者像をあらためて設置する」と発表した。呉市長はさらに「(像の撤去で)市民や労働者の皆さんに心配をかけたことを謝罪する」とのコメントも伝えた。

この「労働者の皆さん」とは釜山市が1カ月前に像を撤去した直後、市庁のロビーや市長室前を3日間にわたり違法に占拠し、警察ともみ合いをした当事者たちのことだ。つまり市長は違法行為を働く者を批判し告発するどころか、逆に謝罪し頭を下げた。釜山市の対応はやや手遅れの感はあったが、それでも労働者像を撤去したのは国として当然やるべき行為だった。ところが法律を執行した釜山市が違法行為者に謝罪し膝を屈した。世の中にこんな国があるだろうか。

 おかしな光景はまだある。呉市長は会見の際「行政執行(撤去)の際に問題がなかったか確認し、今後は同じようなことが起こらないよう徹底して対応する」「何度か遺憾の意を表明したが、この場を借りてもう一度謝罪する」などと引き続き低姿勢を示した。すると呉市長のすぐ横にいた全国民主労働組合総連盟(民労総)の幹部がマイクを取り「受賞の感想を語るようだ」とした上で、4日間にわたる違法行為の成功を祝った。市長は降伏を宣言した敗軍の将、民労総幹部は凱旋(がいせん)将軍だった。なぜこんな事態になるのか到底理解できない。

 世界のどこの国でも見られないこの現象は、単に民労総のためだけではないだろう。法律の上に君臨する民労総の権力を事実上傍観し放置してきた公権力の責任が大きい。国や地方自治体の公権力が自らの責務を放棄しているのだから、民労総が公権力をばかにし、あざけり、侮辱するのはもはや珍しくもなくなった。そのため警察の目の前で公務員をビンタし、警察署の中で他人に暴行を加えて記念写真を撮影し、企業の役員を激しく暴行しながら警察を「刑事野郎」などと脅し、官公署を自分の部屋のように占拠しては備品を破壊するような行為が繰り返されているのだ。

 外国領事館周辺に労働者像を設置するのは法律に違反しているのはもちろん、韓国も批准している「外交関係に関するウィーン条約」にも反している。

民労総は「抗日闘争」などと主張しているが、この時代錯誤のコメディーに釜山市は何もできなかった。釜山市長は民労総ではなく大統領府の顔色をうかがったのだろう。無法者が市長から謝罪を受け占拠を取りやめる際、「今回の闘争の経験と計画をしっかりと分析すれば、今後は市側と推進する事案で多くのものを得ることができる」と言い残したという。1万人以上いる釜山市職員たちは今後どうやって自分の仕事をやるのだろうか。


(中央日報 2019/04/19)

国民選挙を通じて選ばれた国家・地方権力が一部の勢力を代弁する労働権力に無力にひざまずくことがたびたび起きている。一昨日、呉巨敦(オ・ゴドン)釜山(プサン)市長は正当な法執行手続きにより一週間前に釜山日本総領事館近くの鄭撥(チョンバル)将軍の銅像前の歩道から奇襲撤去した強制徴用労働者像を全国民主労働組合総連盟(民主労総)に返還することにした。5月1日のメーデー前までに労働者像設置場所を確定するという内容の「公論化プロセス」合意文もキム・ジェハ民労総釜山本部長などと発表した。

しかし、これは市長の職務放棄を宣言したも同然だ。両者は合意文で新設される「強制徴用労働者像建立のための釜山市民100人円卓会議」に設置場所の指定を一任することにした。ところで100人の円卓会議出席者の選定権限を民主労総が主導する労働者像建立委員会や市議会などに与えた。このため、設置場所が日本総領事館前に決まる可能性が高い。泥棒に家を守れと鍵を預けるようなものだ。

韓国が加入している「外交関係に関するウィーン協約」によると、外国公館の正面に少女像や労働者像を設置してはいけない。米国政府も日本総領事館近くの労働者像設置問題に対する懸念を韓国政府や釜山市および市議会に数回伝達したという。李洛淵(イ・ナギョン)首相と4部署長官もすでに釜山市に「不許可」の立場を伝えたということだ。これに伴い、法を執行した呉市長が「建立趣旨に共感したが、行政的問題で避けられない措置を取って残念」としながら謝罪したことも足りず「こうしたことが再発しないようにする」と再発防止の約束までしたことは不適切だった。民主労総などが釜山市長室の前で座り込みをし、「労働者像の撤去は親日」と追い込んだことがそれほど恐ろしかったのだろうか。この際、外交的懸案になった労働者像の設置問題は、釜山市や外交部だけに任せるのではなく、国務総理室または青瓦台が直接立場を明確にする必要もある。それでこそ最悪の状況に陥っている韓日政府間の葛藤解消の糸口を少なくとも探ることができる。

集団の力を借りた「無茶」に押されて公権力が無気力な時の弊害は深刻だ。民主労総傘下の金属労組大宇造船支会のピョン・グァンヨン巨済市(コジェシ)長執務室占拠事件、金属労組大田(テジョン)ユソン企業支会労組員の労務担当役員監禁・暴行事件などにみるように、私的暴力がはびこっている。だからピケデモや座り込み、暴力行使、主張貫徹という順序の「民主労総闘争公式」すら人々の知るところとなるのだ。民主労総が公権力を無視する限度を越して、自ら公権力と法になってしまったのではないのか。このような状況になるまで政府と自治体長は何をしていたのか。


釜山市長の『謝罪・像返還・円卓会議開催』発表の前ですが、東亜日報も民主労総についての社説を出しました。

(東亜日報 韓国語 2019/04/17)

国会前の不法・暴力デモの疑いで捜査を受けている全国民主労働組合総連盟(民労総)[または民主労総]関係者たちが警察の召還調査を再び拒否した。これらは3日、国会の塀を壊して乱入し、警察に暴力をふるった疑いを受けている。キム・ミョンファン民労総委員長は1度目の召還に応じず、19日に予定された2度目の召還にも応じないものと見られる。残りの民労総関係者たちも同じだ。

民労総に法と公権力が何の権威も持たない存在になって久しい。国会乱入後に釈放された民労総組合員は、警察署を背景に勝利の『V』を表示して明るく笑っている姿をフェイスブックに上げた。過度なデモを行う民労総幹部の名前を呼んだ警察幹部には、公共場所で実名を公開したとして、名誉毀損で告訴すると脅迫した。

ミン・カムリョン警察庁長官は国会乱入当時「関連者を速かに召還調査し、主導者は厳正に司法処理する」と述べたが、以後、警察の歩みは厳正な対処とは距離が遠い。警察は現場で連行したキム委員長など民労総組合員を「証拠隠滅と逃走の恐れはない」として当日夕方に皆釈放した。以後、民労総が「すでに十分に調査を受けた」として再三の出頭要求を拒否しているが、警察は逮捕令状の請求もしていない。

民労総は、多数の市民の参加で行われた『ろうそくデモ』をあたかも自分たちの戦利品であるように政府に『ろうそく請求書』を突き付けてきた。政府は民労総が不法を行うたびに厳正な対処を明らかにしたが、言葉だけで実際に執行されたことはない。むしろ民労総を刺激しないようによりに気を使うため、これらが法と秩序を軽く見るのは当然の結果だ。

特に警察は公権力の執行をあきらめたような態度で一貫している。

昨年10月、慶尚北道金泉市長室の無断占拠の時は、3週間経っても関連者を召還せず、ついにキム・チュンソプ金泉市長が捜査要求を要請する緊急記者会見を行って告訴状を提出した。1か月後の11月には忠清南道のユソン企業で民労総組合員が会社幹部を集団暴行したが、出動した警察は暴行が行われた40分間余り手をこまねいていた。暴力行使後に現場を離れる民労総組合員を現行犯で逮捕することもなかった。

民労総が国会乱入から半月も経たずに再び釜山市庁に乱入したのも、公権力を軽く見てのことではないのか。警察がこのように無気力に政権と“実力集団”の顔色ばかり窺う行動は過去にも珍しい。(機械翻訳 若干修正)


これ↓では警察も民主労総に手を出さなくなってあたりまえですね。

2018年05月18日
2018年07月05日