(世界日報 韓国語 2020/10/25)

第2次世界大戦当時、ドイツがV-1、V-2ミサイルでイギリスを攻撃して以降、ミサイルは戦争で核心的な役割を担っている。初めには地上から発射する弾道ミサイルが登場したが、軍艦や航空機から発射するミサイルが開発され、現代戦は“遠くから先に撃つ”方式のミサイル戦争に変化した、ミサイルをうまく扱う側が戦争で勝利する可能性も高まったわけだ。

有事の際、ミサイルを十分に活用するには、普段から訓練と整備を徹底的に行わなければならない。操作未熟で墜落させたり、機能故障を起こしたりすれば、致命的な代価を払うことになり得る。

韓国軍はミサイル訓練を十分に行っているのだろうか。実態を覗いて見ると憂慮の恐れがある部分が少なくない。

◆5年間に1発しか発射しなかった場合も少なくない

韓国軍の主要ミサイルの実弾発射回数は顕著に低調なのが実情だ。実弾射撃を通じてミサイルの飛行特性などを事前に身につけなければならないが、それができず、実戦で十分にに使えないのではないかという憂慮が出ている理由だ。

国会国防委員会所属の共に民主党キム・ミンギ議員が陸海空軍から受け取った資料によれば、2016年から今年上半期までに実射撃の回数が殆どない機種が相当数であった。

タウロス(TAURUS)[タウルス・システムズ社 独]とスラム‐イーアール(SLAM-ER)[ボーイング社 米]長距離空対地ミサイルは、2017年にそれぞれ1発を撃った後、実射撃記録がない。空対艦ハプーンミサイル[ボーイング社 米]も同じだ。

敵レーダーを破壊するハーム(HARM)ミサイル[レイセオン社 米]は同期間に実射撃が一度もなかった。韓半島[朝鮮半島]有事の際、北韓[北朝鮮]のレーダーを無力化しなければ、空中作戦に相当な支障を来たす憂慮が高い。実弾射撃訓練を通じて、実戦感覚を維持しなければならない理由だ。

空軍は「タウロスとスラム‐イーアールは、2022~2023年に実射撃が予定されている。ハームミサイルは訓練弾の確保が制限され、実射撃が計画されていない」と説明した。

海軍のソン・ウォンイル[孫元一]級、チャン・ボゴ[張保皐]級潜水艦から発射される潜対艦ハープーンミサイルは、2016年に1発発射しただけだった。リンクス海上作戦ヘリコプターで使用するシースクア空対艦ミサイル[MBDA社 英]は実射撃が一度もなかった。ハープーン対艦ミサイルとホンサンオ[赤鮫]対潜水魚雷はそれぞれ3発を発射した。

陸軍のAH-1S攻撃ヘリコプターに搭載するトウ‐2対戦車ミサイル[レイセオン社 米]は2016年以降実射撃回数が『0』だ。AH-64E攻撃ヘリコプターに装着される“タンクキラー”ヘルファイアミサイル[ロッキード・マーチン社 米]は2017~2019年に16発を発射した。今年は来月中に6発を発射する予定だ。

スティンガー空対空ミサイル[ジェネラル・ダイナミクス社 米]は2017~2018年に4発だけ実射撃をした。陸軍は「スティンガーは昨年から飛行訓練シミュレーターを活用した非射撃訓練を進行中」と説明した。

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陸海空軍のミサイル実射撃回数が少ない原因としては、訓練条件と費用、天候などがあげられる。

海上で実射撃をするには、周辺海域の漁船を照会して操業を統制するなど少なくない事前措置を取らなければならない。射撃場周辺地域の住民たちの反発が少なくなく、関連協力を得ることも難題だ
。

軍関係者は「事前措置がない状態で、計画されていない日程で、射撃訓練をすることには制限がある」と説明した。事前措置がすべて行われても天候が良くなければ実射撃は容易でない。

空軍タウロスとスラム‐イーアールは1発の価格が20億ウォンに達する。ハープーン対艦ミサイルは14億ウォン、陸軍ヘルファイアミサイルも1億ウォンを越える。ミサイルの価格があまりにも高いため、戦時に比べて在庫量を充足するだけの十分な数量を購入することは難しく、これは実射撃訓練の活性化を難しくしているという主張が出ている。

シミュレーションでも訓練効果を上げることができるという観測もあるが、実弾射撃を通じてミサイルの飛行特性などを確認してこそ、実戦で十分に活用することができるという反論も少なくない。予算増額などを通じたミサイル在庫量の拡大と実射撃訓練の回数増大が必要だという指摘が提起される部分だ。

◆海から北朝鮮内陸を打撃するミサイルも問題

韓半島有事の際、海軍艦艇から北朝鮮内陸地域を打撃するヘリョン[海龍]戦術艦隊地ミサイル[LIGネクスワン社 韓]も問題を抱えている。ヘリョンは韓国型垂直発射管に搭載される垂直型とヘソン[海星]対艦ミサイル[LIGネクスワン社 韓]発射管を使う傾斜型に区分される。今回問題が発生したのは傾斜型でインチョン[仁川]級護衛艦に搭載されている。

国会国防委員会所属の共に民主党アン・キュバック議員が防衛事業庁から受け取った資料によれば、ヘリョン傾斜型は2017年11月、野戦運用試験中に墜落した。だが、原因究明は十分に行われなかった。

2017年11月15日、浦項東側海上。インチョン級護衛艦キョンギ[京畿]艦(2300t)[現代重工業 韓]乗務補助員は午前から忙しく動き回っていた。ヘリョンの野戦運用試験をためであった。この日、試験発射を通じてヘリョンの作戦運用性能を点検する予定だった。

準備を終えた後、運用要員が発射ボタンを押すとヘリョンは火炎を噴出しながら発射管を離れ、仮想標的に向かって飛んで行った。だが、2分足らずでエンジンの回転数(RPM)が急激に低くなっり、まもなく海に落ちた。飛行距離は36km。最大射程距離(170km)の5分の1水準に過ぎなかった。

軍当局は直ちに原因分析に着手した。飛行データを分析した結果、約90秒が経過した時点でエンジン停止と燃料供給が中断された。また、エンジン内の燃料とオイルを供給する油圧ブロック組み立て体に問題が発生したと推定された。

これを受け、国防技術品質院などは2017年12月~2018年9月にかけて油圧ブロック組み立て体とその構成品を中心に事故原因の分析と検証試験に着手した。

原因分析のための1次試験では15種類の点検事項のうち5つが『一部不十分』判定を受けたが「墜落の直接的な原因に対する判断は制限される」という結論が出された。

2次試験では燃料用駆動ギアでクラックが発生したことが発見されたが、長時間の駆動による結果と判断された。ただし「品質向上のために改善を考慮すべき」という意見が添付された。

墜落したミサイルを引き揚げて調査した時は「(ミサイル)海上墜落は減速ギアの破損による現象と推定されるが、破損の原因に対する判断は制限される」という結論だけ下された。

明確な原因究明に至っていない軍当局は、性能と品質向上のための改善を検討する必要があるという方向で結論を下した。

これに対し、ヘリョンのシステム開発を担当した国防科学研究所(ADD)は「減速ギアを改善しなくても設計上は問題ない。ただし改善時に製品の性能と信頼度の向上は期待できる」という立場を示した。

防衛事業庁も原因究明が制限されるという調査結果とADDの意見を総合し、改善は不必要だという立場を取った。ただし、海軍の意見と防衛事業協議会の改善措置議決を受け、品質改善が推進されている。

事故原因と改善措置をめぐって論議が広がり、2018年以降、ヘリョンの追加の試験発射や実射撃訓練は行われていない。ヘリョンは海兵隊の上陸作戦や護衛艦が海岸に近接した時に敵地上軍を攻撃する武器だ。実射撃訓練が着実に行われてこそ、有事の際に威力を最大化できる。実践配備の意味が色あせる部分だ。

一線の部隊が安心して使用できる兵器を供給することは、防衛事業庁とADD、製作会社、軍首脳部の責任だ。ヘリョンの品質改善などをめぐり、軍当局の今後の対応が注目される理由だ。(機械翻訳 若干修正)