(朝日新聞 2020/11/10)

 韓国国会の韓日議員連盟の金振杓(キムジンピョ)会長が9日、会長就任後初めての来日を前に、朝日新聞のインタビューに応じた。来年7月に予定される東京五輪を日韓関係改善の契機にしたいなどと、抱負を語った。

――4月の韓国総選挙を経て、議連のメンバーも入れ替わった。12日からの訪日は、会長就任後初めてになる。

 本来ならば40~50人ほどの訪問団で行きたいが、(新型コロナウイルスの影響により)私を含めて7人で日本を訪問する。日韓議員連盟の額賀福志郎会長や河村建夫幹事長のほか、自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表とも面会する予定。他に、日本政界の重要な政治指導者にも会う。

 韓日は議連同士の交流を約40年間続け、重要な役割を果たしてきた。韓日間に難しい問題が山積しているからこそ、虚心坦懐(たんかい)に意見を交わしたい。東京五輪があり、私たちも隣国として、五輪を成功させる共通の利益のために手助けしたい。活発な交流を通じて、両国間の理解の幅が広がる契機になればいい。

――議連として、どのように取り組むのか。

 世論調査によると、韓国では反日、日本でも嫌韓の感情が広がっている。双方の政治家が国民感情を政治利用しようとする誘惑から脱しなければならない。

 そのために、議連に「五輪交流協力特別委員会」を設置しようと思っている。五輪を前に、日本側と協力して、できれば来年1月から、両国の政治家や知識人、経済界が交流するセミナーや、スポーツ交流などの機会を作り、韓日友好の雰囲気を醸成したい。今回の訪日で日本の議連と協議するつもりだ。

――日韓関係悪化のきっかけは、2018年秋の韓国大法院(最高裁)判決だ。元徴用工らへの賠償を日本企業に命じたが、日韓双方の主張は隔たったままだ。

 (韓国にも)三権分立があり、司法判断に大統領府や国会が介入すれば混乱を引き起こす。文在寅(ムンジェイン)大統領の選択の幅も非常に狭いが、解決には韓日双方の政治的決断が必要だ。元徴用工問題だけではなく、経済問題なども含めたパッケージで解決したい。双方が譲歩して解決案を作り、国民に理解を求めて説得しなければならない。

 韓日はお互い経済的に依存しており、特に輸出規制問題は早期に解決するべきだ。いつまでも過去の歴史のために韓日の若者、未来の世代が足を引っ張られてはいけない。未来志向的な互恵関係を築くために、私たちが日本に望んでいるのは、韓国国民が受けた精神的な傷に対する心からの謝罪だ。日本の政治指導者の真摯(しんし)な謝罪を望む。

――元徴用工問題の具体的な解決策を考えているか。

 色々な解決案を日本側に伝えてきた。その中の一つは私が考えた案だ。(賠償金の支払いのために)韓日双方が負担するなど、色々な方法があるが、コメントは控えたい。

――15年の慰安婦合意は空文化した。政府間で元徴用工問題の解決策に合意できても、また同じことが繰り返されるのではとの懸念が日本国内にはある。

 当時の朴槿恵(パククネ)政権は日本側との合意を急ぎ、お金の問題で解決しようとした。それが韓国人の感情を大きく傷つけた。韓国の国民が願うのは真摯な謝罪であり、それは未来志向的な関係を築くために必要なことだ。慰安婦合意の経験を踏まえて今、両国の当局者が緊密に協議していると思う。

――文政権は年末に韓国で日中韓首脳会談の開催を目指すが、徴用工問題があるなかで、日本側は菅義偉首相の訪韓に難色を示している。

 政治指導者はどんなに苦しく、国民の支持を得ることが難しくても、対話の機会は逃してはならない。両首脳は電話会談を行った。次は直接、対面すべきだ。

――東京電力福島第一原発の処理済み汚染水の処分をめぐり、韓国国内の懸念が強い。日韓の新たな火種にならないか心配される。

 地震と津波により起きた自然災害であり、日本の立場はよく理解している。この問題を外交カードとして使う考えはない。

 ただ、日本は国際原子力機関(IAEA)と協議しながら、透明性を持って解決したいというが、処理を間違えれば環境に大きな影響が生じる。核管理を担うIAEAだけではなく、環境分野など他の国際機関を含め、国際社会が一緒になって技術的に、経済的に最善の方策を導くために知恵を絞るのが賢明だ。韓国もそのための協力を惜しまない。(聞き手・神谷毅、鈴木拓也)


インタビューを見て、韓国の言い分を聞いていたら決して「完全かつ最終的に解決」することがないんだなあとの感想しかないですね。

あと、処理水排出問題は韓国が外交カードとして『使う』『使わない』と判断するものではなく、そもそも外交カードにならないものですね。