(日本経済新聞 2020/12/02)
【香港=木原雄士】香港の西九龍裁判所は2日、2019年の違法デモを扇動した罪などに問われた民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)氏に禁錮10月の実刑判決を言い渡した。共に活動していた黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏は禁錮13月半、林朗彦氏は禁錮7月の判決が下った。
3人は即日収監された。実刑判決を受けたのは「逃亡犯条例」改正案に抗議し、警察本部を包囲するなどした19年6月21日のデモ。黄氏は若者らを扇動して違法な集会を主催した罪、周氏は扇動と違法集会に参加した罪を認定された。
今回の判決は香港国家安全維持法が施行される前の犯罪が対象で、同法が適用されたわけではない。ただ、著名な活動家への厳罰によって社会の萎縮ムードがいっそう強まるのは必至だ。
黄氏と周氏は行政長官選挙の民主化を求めた14年の大規模デモ「雨傘運動」に参画し、国際的に知られるようになった。19年の大規模デモはリーダーがいない抗議活動で、周氏らは主に海外向けに香港の民主化を訴える役割を担っていた。
周氏は犯罪歴がなく早い段階で起訴内容を認めたため、社会奉仕など軽微な量刑になるとの見方も出ていた。3人は前回11月の裁判で勾留が決まり、刑事施設に入った。周氏が実刑判決を受けるのは初めて。
周氏は2日の裁判では終始うつむき、判決を聞いて涙を流したという。上訴のための保釈請求は却下された。黄氏は弁護士を通じて「これが終わりではない。香港の民主主義と自由のための戦いは必要だ」とコメントした。
黄氏はデモに絡む複数の罪で起訴され裁判中だ。今後、有罪判決が相次いで投獄が長引く可能性もある。周氏は8月に国家安全法違反の容疑で逮捕され、捜査が続く。
国家安全法の施行後は抗議活動のスローガンを口にするのも違法になった。民主派を取り巻く環境は厳しさを増す。周氏らが所属した民主派団体は活動を続けるのが難しいとして6月に解散し、創設メンバーの活動家、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は英国に逃れた。
香港警察は19年6月に始まった一連の抗議活動で1万人以上を逮捕し、うち2300人超が起訴された。
2日朝には昨年8月の抗議活動に絡み香港バプテスト大学の学生会幹部を逮捕するなど、摘発を続ける方針だ。
洗脳されず、心身ともに健やかな状態で出てくることを願うだけですね。
(産経新聞 2020/12/02)
香港の著名な民主活動家、黄之鋒氏と周庭氏に2日、禁錮刑が言い渡された。執行猶予が付かない実刑判決は、両氏と国際社会の結びつきを断ちたい中国・香港政府の思惑通りとなった。今後、香港国家安全維持法(国安法)違反でも起訴されれば、収監が長期化する可能性が高く、香港の民主化運動にとって大きな打撃となる。
黄氏と周氏が当初否認していた起訴内容を最終的に認めたのは、情状酌量を訴えるための苦渋の決断だった。黄氏は11月23日の公判前、「政府への抗争継続と法廷闘争の両立は難しい」などと支持者に明かしており、抗争の早期再開のため刑の減軽を狙ったようだ。
それでも、実刑判決を免れることはできなかった。
昨年6月に本格化した反政府デモではこれまでに1万人以上が逮捕され、違法集結や暴動罪などで2千人以上が起訴されている。
連日のように一連の公判が行われる中、中国系香港紙が最近、情状を酌量した“温情判決”を厳しく批判し、その裁判官を個人攻撃するキャンペーンを展開している。裁判官さえも中国側の圧力にさらされているのが香港の現状だ。
黄氏らの事件を担当した王詩麗裁判官も、反政府デモ関連の事件の公判で、比較的厳しい判決を出す女性判事として知られる。
黄氏らの弁護側が11月23日の公判で、量刑に関し、一定期間の奉仕活動を命じる社会服務令が妥当と主張すると、王氏は「考慮に値しない」と一蹴した。周氏はこの時の心境を「すごく悔しく、やりきれない思いになった」と、面会に来た知人を通じて明かしている。
周氏は、8月に国安法違反の疑いでも逮捕されており、起訴されれば収監が長期化するとの見方が強い。黄氏も今後、同法違反で逮捕・起訴されかねない。
中国・香港当局は、米欧に対する黄氏の、日本に対する周氏の情報発信力と影響力を警戒している。2人の収監の長期化は、当局にとって好都合といえる。
日本語が堪能で日本文化を愛する周氏は、国安法違反の疑いで逮捕される前、本紙の取材にこう語った。
「人生でもう一度、日本に行きたい。それが今の私の夢です」
新型コロナウイルスの影響ではなく、政治的理由によって、そんなささやかな夢さえも実現が難しくなっているのが、今の香港だ。(藤本欣也)
洗脳されず、心身ともに健やかな状態で出てくることを願うだけですね。

日米欧の西側先進諸国は協同して香港・中国に圧力を掛けるべきだ。
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