(朝鮮日報 2021/05/13)

 韓国の裁判所が、日帝時代の強制徴用加害企業、日本製鉄(旧・新日鉄住金)の韓国内の資産を現金化するための手続きに入った。

 大邱地裁が13日に明らかにしたところによると、大邱地裁浦項支部は今年初め、日本製鉄が韓国内で保有するPNR(日本製鉄とポスコの合弁リサイクル会社)株式の売却命令を前に、鑑定に着手した。

 鑑定人は今年1月15日、鑑定書を浦項支部に提出した。

 法曹界は、鑑定書が提出されたことで、売却対象の株式に対する鑑定手続きが最終段階に入ったものと予想している。しかし、株式の売却命令を出す時期は決まっていないという。

 債務者側(日本製鉄)の法定代理人は、鑑定書の提出後2度にわたり、裁判所に意見書を提出した。内容は明らかになっていない。

 これに先立ち強制徴用の被害者らは、日本製鉄を相手取って損害賠償請求訴訟を起こし、2018年10月に大法院(最高裁判所に相当)の全員合議体が「新日鉄住金(日本製鉄)は被害者に対し、1人当たり1億ウォン(約970万円)を賠償せよ」という確定判決を下した。

 その後、日本製鉄が賠償に応じなかったことから、大邱地裁浦項支部は19年1月3日、強制動員被害者の弁護人団が申し立てた同社の韓国内資産であるPNR株式8万1075株(額面価格5000ウォン基準で4億537万5000ウォン=約3900万円)に対する差し押さえ申請を承認し、同月9日にPNRに差し押さえ命令を送達した。

 これにより、日本製鉄は該当の資産を処分できなくなった。

 大邱地裁浦項支部は19年、日本製鉄に対する資産差し押さえ命令の送達手続きを開始した。

 しかし日本の外務省が海外送達要請書を受領したにもかかわらず、何ら説明のないまま関連書類を何度も返送してきたため、昨年6月1日にPNRに対する差し押さえ命令決定の公示送達を決めた。

 強制動員の被害者とその遺族らが申請したPNR株差し押さえ命令の公示送達の効力は、昨年8月4日0時に発生した。

 さらに、PNR株式の売却命令に対する審問書の公示送達効力も同月9日0時に発生し、裁判所が売却命令の執行手続きを開始できる状態になった。

 日本製鉄側は昨年8月、韓国の裁判所の資産差し押さえ命令を不服として即時抗告し、大邱地裁民事抗告部が案件を審理している。