(産経新聞 2023/05/31)
裁判官が、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボンバッジ」の着用を禁じたのは憲法が保障する表現の自由に反するなどとして、大阪府内の男性3人が国に計390万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、大阪地裁であり、達野ゆき裁判長は違法性を認めず、請求を棄却した。

原告は不動産会社「フジ住宅」(大阪府岸和田市)の今井光郎会長(77)ら3人。争点は、法廷の秩序を守る目的で裁判官に与えられた「法廷警察権」をいかに評価するかだった。

訴状によると、平成30年5月、大阪地裁堺支部で、原告らが民事訴訟を傍聴しようとした際、裁判長の命令を受けたとする職員からブルーリボンバッジを外すよう指示されたという。

民事訴訟は、在日韓国人の女性が民族差別表現を含む資料を職場で配られたとして、フジ住宅に損害賠償を求めたもので、後に賠償命令が確定している。

フジ住宅訴訟では、女性の支援者とフジ住宅の支援者が別のバッジ着用を巡ってトラブルになっており、裁判長は「メッセージ性のあるバッジは外す」と指示。この対象にブルーリボンも含まれ、判決まで着用は認められなかった。

原告側は拉致被害が日韓で起きたことを踏まえ「ブルーリボンはフジ住宅訴訟の争点と全く関係がない」として、法廷警察権の乱用にあたると主張。一方、国側は、着用を認めれば「裁判所に対する中立性、公平性に疑問を抱かせ、当事者間の喧噪(けんそう)につながる可能性があった」として、正当な法廷警察権の行使だと反論していた。

2023-6-1_7-0-58_No-00_R


(NHK 2023/05/31)

大阪地方裁判所堺支部で行われた民事裁判の当事者が、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボン」のバッジを法廷でつけないよう命じられたのは不当だと訴えた裁判で、大阪地方裁判所は、訴えを退けました。

訴えを起こしていたのは大阪の不動産会社、「フジ住宅」の会長ら3人で、会長は、8年前、民族差別的な言葉を書いた業務日報などを社内で配ったとして、在日韓国人のパート従業員の女性から大阪地方裁判所堺支部で別の民事裁判を起こされ、去年(令和4年)9月、会社側に賠償と、文書を配布しないよう命じた判決が確定しています。

この民事裁判の途中、女性の支援者が差別的行為の禁止を意味する缶バッジをつけて傍聴したのに対し、会長の支援者が日の丸などが描かれた缶バッジをつけて法廷に入ろうとして、裁判所からメッセージ性のあるバッジなどは双方とも外すよう命じられたうえ、その後、北朝鮮による拉致被害者の救出を願う「ブルーリボン」のバッジの着用も認められなくなったということです。

会長ら3人は、「裁判所の権限を逸脱している」などと主張して、国に賠償を求めていました。

5月31日の判決で、大阪地方裁判所の達野ゆき 裁判長は、「主義主張の対立が顕在化しバッジの着用をめぐり、実際にいさかいが生じていた。法廷ではバッジの着用などで表現行為をすることは予定されておらず、法廷の秩序を守るための裁判長の権限を著しく逸脱しているなどの特段の事情はない」として訴えを退けました。