(毎日新聞 2026/05/22)
 外国籍職員の採用見直しを検討している三重県とは、正反対の方向に進みつつある自治体が県内にある。正規職員の採用で、全国2番目という外国籍枠を設けた伊賀市だ。この春、2人の外国人が市役所に仲間入りした。「多様性を活力に変えて、『強み』にしていこうという機運が高まっている」。導入の音頭を取った市長の稲森稔尚(としなお)さん(42)はそう手応えを語る。

◇市に寄せられた抗議の多くは…

 同市は1990年代から製造業で働く人を中心に外国籍住民が増え、現在は人口の7・6%を占める。市出身の稲森さん自身も「多文化共生」を肌で感じながら育った。大学時代には日本人と韓国人、在日コリアンの学生の交流活動にも関わり「お互いの文化や背景を理解する面白さを知った」と振り返る。

 介護施設職員や市議を経て2015年に県議に。同年、県議会で初となる性的少数者に関する質問をした。当時は「LGBTQ」という言葉も浸透していなかったが「政治に届きにくい声を集めるのが自分の役割」と信じて積極的な取り組みを続けた。そうした活動が、21年の「性の多様性を認め合い、誰もが安心して暮らせる三重県づくり条例」の制定につながったと胸を張る。

 24年の市長選で初当選。故郷の市政のかじ取りを始めるにあたって気になったことの一つが、市役所に外国籍の正規職員がいないことだった。「歴史ある城下町の中に、外国人の方が共に暮らしているのが伊賀市のイメージ。それなのにいないというのは何らかの障壁があるはずだと思いました」。(略)


(毎日新聞 2025/04/25)

 伊賀市の稲森稔尚市長は24日、2026年4月1日採用の正規職員を募集する25年度後期日程で、外国籍の人を対象にした「多文化共生推進枠」を設けると発表した。採用人数は若干名。市によると、外国籍枠を設けるのは県内で初めてで国内で2自治体目という。

 受験資格は日本国籍でなく永住者、特別永住者の資格があり、年齢が採用時18~40歳。学歴不問で日本語能力も特に資格は求めないが、採用試験は日本語で、人事課は「そこで日本語能力を問うことになる」という。(略)


稲森稔尚(ウィキペディア)一部抜粋

稲森 稔尚(いなもり としなお、1983年〈昭和58年〉11月16日 - )は、日本の政治家。三重県伊賀市長(1期)。三重県議会議員(3期)、伊賀市議会議員(2期)を務めた。

来歴
現在の三重県伊賀市出身。大東文化大学法学部政治学科卒業後、都内の介護施設に就職。その後帰郷し地元も含め計約3年介護職に従事した。

2009年伊賀市議会議員選挙に社会民主党公認で立候補し、トップで初当選。2012年には社民党の党首選挙への立候補に意欲を示したが、最終的に断念した。2013年の市議選では2位で再選、伊賀市議を2期務める。

2015年に三重県議会議員選挙に無所属で立候補し初当選。2019年の県議選では社民党を離党し、旧民進党系の政治団体、「三重民主連合」から推薦を受け再選。同年、三重大学大学院に社会人入学し、3年半かけて修了。2023年の県議選で3選。三重県議は3期9年6ヶ月務めた。県議時代は地域政党草の根運動いがに所属し、その代表となった。

2024年7月に11月10日執行の伊賀市長選挙に出馬することを表明。11月10日執行の伊賀市長選挙で草の根運動いが公認で立候補し、現職の岡本栄を破って初当選した。市長選挙には他に元日本政策投資銀行勤務の浅井健之、元県議の田中覚、元市議の濱瀬達雄、建設業の萩森正治が立候補し、史上最多の6人の争いとなった。

2025年12月26日
2026年01月10日