対韓「造船紛争」総力戦 WTOに再提訴
(読売新聞 2020/02/06)
韓国が自国の造船企業に巨額の公的支援を続けている問題で、日本政府は1月末、世界貿易機関(WTO)の紛争解決手続きで再提訴に相当する2国間協議の追加要請という異例の手続きに踏み切った。2018年末の提訴から1年強の間、日韓関係の悪化が進む中、複数省庁の総力戦で戦略を再構築する変則的な経過をたどった。
◇国交省、外務・経産と戦略
日本政府は18年11月、韓国政府による経営難の造船大手への約1兆2000億円に上る金融支援などが「市場競争をゆがめている」として、2国間協議を要請。翌12月には協議が開かれたが、韓国は「支援は正当で、WTOのルール違反にはあたらない」との立場を崩さず、物別れに終わった。
WTOのルールでは、要請の60日後から裁判の1審にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置を求めることができる。19年1月から設置要請が可能だったが、韓国人元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)を巡る問題で日韓関係が悪化するなか、「慎重に進めるよう、政府内の風向きが変わった」(政府関係者)といい、設置要請は保留となった。
転換点となったのは4月、韓国が原子力発電所の事故を理由に福島など8県産の水産物を禁輸した問題で、日本が逆転敗訴したことだった。WTOの上級委員会が、韓国の対応を「差別的で不当」と断じた1審の判断を覆した。政府にとって「想定外の結果」(外務省幹部)で、官邸からは「造船では100%勝てるように」とのプレッシャーが強まったという。
造船業界を所管する国土交通省は直後、省内に専門チームの部屋を設置。同省がWTO案件を扱うのは初で、経験不足を補うため、外務省に加え、紛争解決手続きの知見が豊富な経済産業省の協力も仰いだ。国際貿易に詳しい弁護士ら専門家も交え、過去の判断や水産物問題での敗訴の要因を洗い直し、韓国側の主張への対策を入念に準備した。
1月31日の再提訴に際しては、18年の提訴後に韓国政府が拡大した新造船に対する補助などの論点も加えた。この間、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を一時決めるなど日韓関係はさらに悪化したが、政府は「手続きに従って粛々と進め、準備が整ったから要請した」(外務省幹部)との立場を崩さない。
韓国側は公的支援について「問題ない」との立場を変えておらず、「パネル設置に進む可能性は高い」(国交省幹部)情勢だ。韓国では4月に総選挙を控えるなか、パネル設置の要請が可能となる今春以降の動向が注目される。
パネルが設置されると、判断が出るまでに1年半程度かかることが多い。「最終審」にあたる上級委員会の結論まではさらに数か月かかる見通しだが、上級委は現在、米国の反対で委員が選考されず、機能停止状態となっている。
◇日韓間の国際紛争などを巡る経緯
2018年11月 造船業への公的支援が競争をゆがめているとして、日本が世界貿易機関(WTO)の手続きで、韓国に2国間協議を要請(提訴)
12月 ソウルで2国間協議を開催
19年 1月 韓国人元徴用工の訴訟を巡り、韓国側が被告企業である新日鉄住金(現・日本製鉄)の資産を差し押さえ
4月 韓国による福島など8県産の水産物禁輸問題を巡り、WTOの上級委で日本が敗訴
7月 日本がフッ化水素など半導体関連の3品目の輸出管理を厳格化
9月 輸出管理厳格化を巡り、韓国がWT0手続きで日本を提訴
2020年 1月31日 造船問題を巡り、日本が韓国を再提訴
今春以降 日本か紛争処理小委(パネル)設置を要請?
◇韓国低価格で攻勢
造船業界は日本、韓国、中国で世界シェア(占有率)の9割を占めるが、日本勢は徐々にシェアを奪われている。日本のシェアは1980年代に50%を超えたが、2016~18年は14%にとどまっている。

中韓は00年代に急速に建造能力を増強したが、08年のリーマン・ショック以降船舶の需要は低迷し、世界的に供給過剰の状態が続く。業績悪化に伴い、韓国は公的支援を加速させ、低価格で受注攻勢をかけている。
一方、日本国内では業界再編や事業見直しの動きが相次ぐ。国内2位のジャパンマリンユナイテッド(JMU)は今月3日、京都府の事業所での新造船建造から撤退すると発表。三菱重工業は長崎市の造船所を売却する検討に入った。国内の造船関連産業の雇用は10万人を超えるが、部品を作る中小企業を含め雇用への影響が広がりかねない状況だ。


この件でWTOを信頼出来なくなったが、今度はワンチームの総力戦で韓国を叩きのめして欲しいね。
specificasia
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