(朝鮮日報 2016/09/23)

2016092300779_0

 韓国軍が「韓国製の名品兵器」と宣伝してきた韓国型機動ヘリ「スリオン」(KUH1)=写真=が、今年初めに米国で実施された結氷テストを通過できず、第一線部隊への納品が全面ストップしていることが22日までに確認された。既に実戦配備されたおよそ50機の安全が問題になるのはもちろん、今後の量産や輸出にも大きな支障を生むこととなった。

 韓国国会の国防委員会に所属する与党セヌリ党のイ・チョルギュ議員が最近防衛事業庁(防事庁)から入手した資料によると、スリオンは昨年10月から今年3月にかけて、米国ミシガン州で「機体結氷テスト」を受けた。気温5度からマイナス30度という低温多湿な環境で、スリオンの飛行の安全性を確認する試験だった。その結果、エアインテーク(空気取り入れ口)などに許容値を超える氷(100グラム以上)が付いてしまう着氷問題が見つかった。

 エンジンメーカーのゼネラル・エレクトリックによると、こうした氷がエンジンに吸い込まれた場合、エンジンのブレード(放射状に取り付けられたたくさんの羽根)が破損し、エンジンがきちんと動かなくなる。冬場のじめついた環境におけるスリオンの機動能力は、不合格判定を受けたわけだ。このため韓国国防部(省に相当)と防事庁は最近、スリオンを作っている韓国航空宇宙産業(KAI)に対し、納品中止の指示を出した。

 こうした状況にもかかわらず、KAI側は「今回の結氷試験は、零下数十度の低温と、氷ができやすい非常にじめじめした環境の下で行われた。不適合判定を受けはしたが、冬場にさほど寒くならず、乾燥している韓半島(朝鮮半島)で運用する分には問題ないだろう」とコメントした。

 一方、航空気象庁の関係者は「韓国では、霧が多い初冬(11-12月)や初春(2-3月)に高度600-900メートルでヘリの着氷現象が起こる。ヘリの運用部隊を訪問して、着氷関連の相談を行っている」と語った。また陸軍本部も着氷を懸念して、スリオンの使用教範に「着氷が起こったら、速やかに当該地域を離脱すること」という内容を書き込んだことが確認された。

 問題が解決するまで、既に戦力化されたスリオンおよそ50機の冬季作戦には制約が課されるものとみられる。韓国軍の内外からは、陸軍航空学校で教育中だったスリオンが不時着した昨年12月の事故も、着氷現象と関連があるのではないかという声が上がった。

 スリオンの結氷・着氷問題を短期間で解決するのは難しいということも大きな問題だ。防事庁の資料によると、今回の結氷試験で指摘された問題を解決するには、7点の部品を改良しなければならない。このうちエアインテークなど3点は、新たに設計からやり直さなければならない。改良作業完了までには2年ほどかかる、というのが防事庁の判断だ。

 スリオンには、開発だけで1兆3000億ウォン(現在のレートで約1190億円。以下同じ)の資金が投じられた。2013年5月の戦力化記念式典では、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が試乗も行った。それから最近までの間に、1兆ウォン(約910億円)かけておよそ50機が量産された。韓国軍では、23年までにさらに5兆ウォン(約4600億円)を投じておよそ200機を追加生産する計画を立て、およそ300機の輸出も期待していた。しかし米国側の「結氷試験不合格」により、しばらくは追加量産はもちろん輸出も難しいと分析されている。

 これに対しKAI側は「結氷試験は、輸出拡大のための選択事項だった。冬がない東南アジアや中東などに販売すればいい」という主張を展開しているという。

 しかしイ・チョルギュ議員は「結氷試験は、ヘリ戦力化のための必須項目。『後で結氷試験を受ける』という但し書きを付けて、12年6月に条件付きの『戦闘用適合』判定を受けた」と語った。12年の「戦闘用適合」判定自体も見直すべきではないか、という指摘もある。スリオンが問題を起こしたのは、これが初めてではない。今年5月には、一部の機体に取り付けられている振動吸収装置に亀裂が発生し、防風ガラスにもひびが入った。


次から次へと出てきますね。さすが「韓国型」。

2014年12月13日
2015年10月13日
2016年05月09日
MAMOR(マモル) 2016年 11 月号 [雑誌]
B01J4AC14E